AMEB(エィメブ)とは?オーストラリアの音楽検定について。

オーストラリアで楽器を習うと先生から
 

Would you like to take the AMEB exam?

(AMEB試験うけてみる?)

って言われると思います。

 
私が初めてこの単語を耳にしたのは、息子が4歳になったばかりの頃に習い始めたピアノの先生からでした。
 
 

エイメブって聞こえたけど、何だその単語???

最初に耳にしないと”アメブ”って発音しちゃいそうでした。 😯 
 
 
AMEBとは,Australian Music Examinations Boardの略。
音楽検定、グレーディングです。
 
これが自分のレベルを公式に証明でき、かつ奨学金制度の申し込みとか、オーディションやコンテストの部門によっては「AMEB *級以上」とかその基準値にもなっています。
 
もちろん国際基準としても証明できます。
 
我が息子は、先生が背中を押してくれて試験を受け続けると同時にどんどん才能が開花し、ハイスクール進学にこのAMEBの資格と「アイステッドフォッド」の功績で奨学金制度を利用して入学できました。
 
 
Eisteddfodって?
🌟「アイステッドフォッド」についてはこちらの記事で紹介しています。
アイステッドフォッド(Eisteddfod)とは?舞台演奏で度胸をつける!
オーストラリアでお子さんが楽器やダンスを習っていると先生から「Would you like to attend the Eisteddfod?」って聞かれると思います。年に1回、各都市で開催される、舞台演技・演奏コンテストのアイステッドフォッドについてまとめました。

 

 
AMEBに関しては
 

What’s your grade?

(何級?)

っと音楽の教育者に携わる人ならほとんどって言っていいくらい聞いてきます。

 
 
ただ、楽器を習う先生によっては、AMEB試験には対応していない人もいます。
 
田舎に住んでいた頃、息子の学校の音楽教師はどんな楽器もできるマルチタレントの女性でしたが「発表会」とか全く関心がなく、ましてや試験は受けたことがないようで「アイステッドフォッド」も「AMEB」対応もできない人でした。
 
 
ところが幸い、隣町に都市での音楽教師を引退後、地元に戻って個人の「ピアノ・ヴァイオリン教室」をスタートさせた先生に出会えました。
 
もし、この先生に出会わなかったら「アイステッドフォッド」も「試験」のことも知らないまま。。。大事な子供の才能を育成するチャンスを逃していました。
 
 
ピアノをはじめ、楽器を習う先生を選ぶ時は、アイステッドフォッドに参加できるか、AMEB対応かどうかチェックした方がいいです。
 
参加するしないは別として、最低限ちゃんと将来に向けて子供たちを演奏家として育成しようという先生の証だからです。
 
それでは、いったいAMEB試験ってどんな内容なのか説明します。
AMEBの試験には、大きく分けて2つの種類があります。
 
Comprehensive試験とRepertoire試験。
 
試験の種類とそれぞれ項目を表にしてみました。
 
 
簡単に説明しますと、
 
①Comprehensive examinations(包括的、総合試験)
これは、3部構成全てを含む試験です。
 
Ⅰ:技術テスト
Ⅱ:演奏テスト
Ⅲ:聴覚テスト、譜読み、一般知識
 
更にグレード6以上は、「Theory of music(音楽理論)」のテストにも合格しなくては資格証明書を発行してもらえません。
 
 
②Repertoire examinations(演奏曲試験)
こちらは演奏曲のみの試験ですが、「音楽理論テスト」はグレード6級以上で必須です。
 
 
③「For Leisure 試験」(ピアノ、歌とサクソフォーンのみ)
 
これは、Comprehensive試験がクラッシック王道曲なのに対し、ジャズや映画曲、ポップ系など含めた人気曲から構成されています。
 
*「For  Leisure試験」は、ピアノと歌、サクソフォーンのみに設けられた試験です。
 
位置付けは、課題項目わんさか目白押しの「Comprehensive試験」よりも技術テストを大幅に削減し、更に「聴覚テスト」と「譜読み」はどちらか1つを選択すればよく、グレード6以上から必須となる「音楽理論テスト」も免除されるので、かなり負担が減ります。
 
 
昔はピアノに関してならクラッシックを王道とした「Pianoforte 」という今で言うPiano Comprehensiveコース(技術テスト、実技テスト、聴覚テスト、譜読み、一般知識全てを含む)しかなかったのです。
 
 
でも高校生にもなると、勉強が忙しくてそんなに一杯検定の準備できない。。。って生徒も多数でてきます。
 
又、クラッシックよりもジャズ、映画の曲、ポップ系に興味があってそっちを中心に習いたく、できれば自分のレベルを知るためにも資格を取りたい!って若者は大勢います。
 
でもComprehensive試験は、クラッシック曲王道だし。。。
 
 
それでせっかく習っている楽器の検定を諦めてしまうのはもったいない!
ならば、少し検定の項目を減らしたこのコースを受けては?と結構こちらを受ける生徒が増えているようです。
 
 
さらに、2019年以降は「演奏(実技)テストのみ」の②のRepertoireコースが登場。
 
これは、技術テスト(音階、アルペジオ、重音など)なし、聴覚テストも譜読みも一般知識もなし。
 
 
かなり検定のプレッシャー度も、やらなきゃならない課題も激減です。
(ただし、前述した通り「音楽理論テスト」はグレード6級以上になると「Comprehensive試験」同様、必須になります。
 
 
ということで、多くの生徒はこの演奏試験(曲を弾く)だけのRepertoireコースの検定を受けるようになっています。
 
要するに、無茶苦茶 本気系、クラッシックをベースに総合的に学ぶ人は、「技術、実技、聴覚、譜読み、一般知識」更には「音楽理論テスト」も全てを包括的に詰め込んだ試験の「Comprehensiveコース」。
 
そこまでいかず、またもっとジャズとか映画曲とか近代的な音楽を弾きたいという人は、技術テスト大幅削減、聴覚、譜読みは1つだけ選択といった「 For Leisure」コース。
 
 
上記表にも示しましたが②の「Repertoireコース」が登場してからは③の「For leisure試験- クラッシック、ジャズ、ポップ、映画曲などの人気曲も対象」の中にも「Comprehensiceコース(技術テスト、実技テスト、聴覚か譜読みいテスト、一般知識テストあり)」と 「Repertoireコース(演奏のみ)」が設けられています。
 
これだけいろんな種類が登場すると、しっかりとして試験を受ける目的が必要になってきます。
「試験に合格する」だけが全てではなく、あくまでも自分の目標設定と音楽を深く知る上で自分にあった試験の選択を先生と相談して決める必要があります。
 

レベル構成

では、それぞれの試験で設定されているレベル構成をみてみます。
 
 

レベル1(Beginning)- Preliminary to Grade 4

レベル1は初級〜中級手前の5段階に分けられ、全ての試験に設定されています。
 
1. Preliminary
2. Grade 1
3. Grade 2
4. Grade 3
5. Grade 4
 
日本の階級は数字が小さいほど上級レベルですが、英語圏は反対です。数字が大きくなるにつれ、レベルが高くなります。
 

レベル2(Developing) – Grade5 to Grade8, Certificate of Performance

レベル2は、中級〜上級手前。
 
Comprehensive試験のみ、グレード8終了後に「Certificate of performance」があります。
 
このCertificate of Performance (演奏者資格)は、次のレベル3(上級)を受ける為の準備試験として位置付けられています。
 
2022年6月で13歳になった我が息子は、8月末にこの「Certificate of performance」のピアノ検定(Comprehensive)を受け、頑張った甲斐あって「A+」を獲得しました!
 

レベル3(Advanced development) – AmusA and LmusA

「Comprehensive試験」のみ、レベル3が設定されています。
 
これは、「全ての過程を修了したディプロマ資格(理論と技術に基づく高い専門性、能力習得)」に値します。資格の位置づけとしては、専門学校卒業証明書ってところでしょうか。
 
*AmusAは、Associate in Music, Australia の略。
*LmusAは、Licentiate in Music, Australia の略。
 
 
 

Comprehensive試験の内容

ここからは、Comprehensive試験の課題項目をレベル別にみていきます。
まずレベル1の初級から中級手前です。
 

レベル1

 
 
レベルが上がるにつれて、テクニカルワーク(技術テスト)も演奏曲数も、オーラルテスト(聴覚テスト)、一般知識の内容も増えていきます。
 

レベル2

 
グレード8になると、1曲が軽く6〜7分を超えているので「エクストラリスト2曲」は免除されます。更に、この級で全て技術テストは修了。
 
「Certificate of Performance」は、各リスト(A〜D)から1曲ずつ選択、最低4曲を演奏。
演奏時間と次の演奏に取り掛かる準備時間も含めて「25分以上35分未満」になるように曲を構成します。
 
もし25分に至らない場合は、エクストラ曲として各リストから追加選択します。
 

レベル3

レベル3のコース修了、ディプロマ資格では、必ず「リストA」から1曲、最低3曲を演奏します。
残りの2曲はリストB,C,Dから選択し、25分以上40分未満になるように曲を構成します。
 
もし25分を満たさない場合は、エクストラ曲として各リストから選択して補います。
 
 

Repertoire試験の曲数

一方、「演奏曲試験」のみの「repertoire試験」の曲数をみてみます。
 
それぞれ、楽器によってレベル別に「時間制限」があります。
 
 

AMEBで必要な教本

さて、いろんな課題項目が登場しましたが、いったいどこからその試験対策の本を手に入れるか?
 
これらは、全てAMEBの公式サイトを通してそれぞれ教本を購入します。
あるいは、地元の楽器店や数々の音学関係のインターネットサイトからでも購入できます。
 

Manual of Syllabuses(試験の概要マニュアル)

まずは、こちらを毎年購入して「各リスト(A〜D)」に掲載されている課題曲が何か?」を確認する必要があります。

また、試験項目の概要を自作で表にしましたが、こうしたそれぞれの試験の種類についての詳細が記載されているので必ず目を通す必要があります。

本とデジタルダウンロード版の両方があります。

 

Technical workbook(技術テストの本)

「Comprehensive」や「For Lesuire(ピアノ、歌、サックスのみ)」の試験では、スケール(音階)やアルペジオ、エクササイズのテストがあります。

その内容が掲載された本で、試験日にはこの本を試験管に渡す必要があります。

(技術テストは全て暗記)

「Preliminary to Grade4」と「Grade 5 to Grade8」の2冊に分かれています。

これも公式サイトの「SHOP」から購入できます。

 

🌟試験当日は、試験管に従って指示された技術項目を弾きます。全ての項目をテストする訳ではなく、そこから抜粋しています。

 

課題曲の本

マニュアルに掲載されている「課題曲のリスト」は2つのタイプがあります。

 

①AMEBが出版している本(AMEB Series)但し、グレード8まで。

②マニュアルリスト(AMEB Manual list)

 

この①のAMEBが出版している本には、リストAからC(D)まで各4曲ずつ載っています。

好き嫌いが激しくなければ、グレード8までは手っ取り早くこの1冊を購入することでそこから全てのリスト曲を選択できます。しかもAMEBが選抜した曲なので要は「おすすめ曲」が載っているともとれます。

マニュアルリストは、もっと幅広く多数の曲が掲載されています。

グレードが上がるにつれて自分の弾きたい曲もこだわりも出てくるし、先生もなるべく幅広い作曲家の曲を経験させたいと言う思いから、こちらを選択する場合も増えてきます。

その曲の本は自分で見つけて購入するか、先生から借りるか。

こちらも試験当日には、その試験曲の本を試験管に渡す必要があります。

AMEB出版のシリーズ本も、同じく公式サイトのSHOPから、もしくは音楽関係のwebサイトから購入できます。

 

Aural test

オーラルテストも公式サイトから購入してそれを元に訓練します。

どんな内容があるかというと、例えば「音程」

試験管が2つの音、例えば「C(ド)」と「E(ミ)」を聞いてその音程を答える。

(答え:major 3)

 

次に「リズム」

試験管が短い曲を弾きます。そのリズムを覚えて手を叩いて再現する。

 

「音感」もあります。

試験管が曲を弾いた後に、ハミングする。

レベルが上がるにつれて項目や難易度も高くなります。

 

Sight reading

譜読みは、特別に公式サイトから購入しなくても先生がそのレベルにあった教材を使って練習しているケースもあります。

公式サイトから購入すると、だいたいのレベルにあった試験内容が把握できると言うメリットがあります。

 

General knowledge

Repertoire試験意外は、一般知識のテストがあります。

全ての演奏が終わると、弾いた曲に対して

「作曲家についての知識」

「曲の構成や何拍子か、何調かなど」

「曲名について」

「記号やサインの意味」

など問われます。

AMEB出版の曲本であれば、それに対応した「ハンドブック」が公式サイトから出版されています。

マニュアルリストから選択した曲の場合は、先生が準備してくれるか、我が息子の場合はそれに加えて専門サイトから購入しています。

 

Theory of music(音楽理論)

オーストラリアの楽器を教える「個人指導」の先生は、「音楽理論」も合わせて教えています。

AMEBの検定(実技試験)を受け続けていくと、グレード6以上は「音楽理論試験」もパスしないと資格がとれません。

それぞれの実技試験のグレードに対する必要な「音楽理論」のグレードも設定されています。

それを表にしました。

 

この「音楽理論の試験」はオンラインで年中受けることができます。

試験対策としては、AMEB出版の「Theory of music」の教本か多くの先生は「Master Your Theory(Hal・Leonard出版)」を購入して勉強しています。

更に、これまたAMEB公式サイトに「オンラインTheory コース」ってのが有料であります。

これでビデオ講義を受講し、さらに実際の「オンラインテスト」のように予備試験が受けられます。

期限は1年ですが、それ以内なら何度もビデオ講義+プチテストを受けられます。

 

まとめ

AMEBの検定は、Repertoire試験が登場して以降、随分負担が削減された内容で受けることができるようになったようです。

「演奏曲のみの試験」とはいえ、その曲を弾くにあたってきちんとした技術面が備わっていないと弾きこなせず、また「音楽理論テスト」もグレード6以上からは必須なので、AMEB側としては、

「いくら技術テストや聴覚、譜読み、一般知識のテストを削減したからと言っても、演奏を通して基本技術と音楽理論の把握度を査定しますよ。」って言ってます。

 

つまりオーストラリアの音楽検定は、くどいようですが「Comprehensive試験」も「Repertoire試験(演奏曲のみ)」もどちらも「音楽理論の試験」がグレード6以上から必須と言うことから、演奏力と音楽理論の両立を強く目指しているようです。

これってとても素晴らしいことだと思います。

より深く曲を理解して弾くことができる。

受ける側としては、すごい大変だけど。。。

 

受ける機会があるならば、ぜひお子さんにお勧めです。

その子の性格にもよりますが、小さい頃から受け始めるとそれが当たり前になって「目標設定」をしてレッスンに取り組めるようになります。

 

又、試験日もやっぱり緊張するとはいえ、経験数が増えればこれも慣れていきます。

親は先生に任せきりではなく、家での正しい練習をサポートする必要ありですが、その子がとにかく「音楽が好き、楽器を弾くのが好き」であれば、試験を1つの成果として取り入れると、我が息子のように化ける可能性ありです。🤗

 

 

AMEB試験の種類と目的。作った側と試験管、教える先生の考え方の相違
AMEB試験は昔からの総合試験と2019年から新しくできた「レパートリー試験」のどっちを選ぶ?生徒にもっと選択の幅を広げ、音楽教育を幅広くサポートしようと出来たであろう新たな「演奏のみの試験」。人気はあるけど肝心の試験官は固定観念から抜け出せない?生徒の将来性とその目的意識をしっかり確認してあげる必要があると感じたお話です。
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