海外生活をしていて「草」に対するイメージが変わりました。
それまで「草」といえば「雑草」しかイメージしなかったのです。
でも英語で表現する時には「草」「雑草」「芝生」をきちんと使い分けることを習得。
ここでは、私たちが日本語で使う「芝生が青々してる。」とか「芝刈りする。」とか「草ボウボウになった。」
と言う台詞をネィティヴがどのように表現しているのか、使っている単語とその状況に注目して紹介します。
英語の「芝生」「草」「雑草」の違い
では、早速まず英語の意味からいきます。
それぞれの単語の意味をイメージしたのが下記イラストです。
Lawn(芝生・芝地)
上記イラストの白線で囲まれた部分のように、
「芝」が短く刈り取られ、「密集」して絨毯のように広がった、きちんと「手入れされたエリアを英語で “lawn (lɔ́ːn)”と言ってます。
Collins English Dictionary での説明を紹介します。
A lawn is an area of grass that is kept cut short and is usually part of someone’s garden or backyard, or part of a park.
(訳)芝生は短く切り取られた草の領域であり、通常は誰かの庭や裏庭の一部、または公園の一部です。
引用元: Collins English dictionary 英英辞典
*日本語では、「芝生を植える」も「芝を植える」も同じように使っていますが、
実際は英語の意味と同じで、「芝生」は人工的に手入れをしたいわゆる「芝地」、「そのエリア」を表現する言葉なんですね。
だから正しくは「芝生を植える」ではなくて「芝を植える」とか、「ここを芝生にする」って言うべきなんだな。。。と英語はもちろん、日本語の使い方まで勉強になったもんです。
そしてふと思い出しました。
“lawn” と言えば、昔、芝生にする為に購入した”lawn seed” と言う「芝生用のタネ」。
これです。↓
人工的に手入れをする「芝地」を作るための種」って言う深い意味だったんだな。。。
Grass(草・牧草・芝)
一方、日本語の「芝」にあたるのが
“grass(grǽs) “
くどいようですが、「芝生」じゃないです。
芝生にする為の青々とした草(芝)を”grass” と言ってます。
Collins English Dictionary での説明を紹介します。
Grass is a very common plant consisting of large numbers of thin, spiky, green leaves that cover the surface of the ground.
(訳)草は非常に一般的な植物で、地面の表面を覆う多数の薄くてとがった緑色の葉で構成されています。
引用元:Collins English Dictionary 英英辞典
また、 “grass” は牛が食べる「牧草」でもあります。
要するに、芝も牧草もひっくるめて「grass /草」と言ってます。
Weed(s) (雑草)
私が「草」=「雑草」とイメージしていたのを払拭するきっかけとなったこの単語。
“grass=草” を青々と育てて綺麗な “lawn=芝生”にしたいのに、この“weeds=雑草”が邪魔するのです。
、ちなみにweed(s)=雑草の意味はどう説明されているのでしょうか?
” A weed is a wild plant that grows in gardens or fields of crops and prevents the plants that you want from growing properly.”
(訳)雑草は、庭や作物畑で育つ野生植物であり、あなたが望む植物が適切に育つことを妨げます。
引用元:Collins English Dictionary 英英辞典
と言うことで「庭が草ボウボウだよ!」を英語で表現するならば
“Weeds are everywhere in my garden.”
とか
“This garden is covered with weeds.”
もっと短縮して
“Lots of weeds in the garden.”
(↑There areを省略して言ってます。)
“I have to pull the weeds out.
(雑草抜き取らないと)
ってな感じで表現されています。
決して”grass” とは言いません。「grass:草」でも「雑草」ではないのです。
まっ、”weed(s)が迷惑な野生植物であることは分かりますが、この代表として「タンポポ」とか「クローバー」があげられるのです。
昔、「タンポポ畑」とか、「シロツメグサ」とか「れんげ畑」で「花輪」を作って遊んだのに「雑草組の代表」と知ったときには気の毒になりました。
でもこれらを放置しておくと、grass(柴草)にとってかわって地面いっぱい覆ってしまい、芝が育たなくなってしまうのも事実。
我が家もそうです。
なので、”Weed kill” と言う除草剤のほとんどが「タンポポ」や「クローバー」の写真。
我が家の庭も、クローバーが柴草の間に入り込んでどんどん覆い被さってしまった。。。
こうなるとクローバーだけを抜き取るのも大変なんです。
だからと言って無闇やたらにスプレーしまくると、「柴草」まで殺してしまう。。。
そこで「草」を殺さずにある雑草だけを標的にした除草剤もあります。
特に「ビンディ:Bindi」と言う黄色い花の開花後に、トゲトゲのタネになってしまう雑草と「クローバー」は、庭の天敵なのでそれ専用の除草剤があって、大変お世話になっております。
おっと、話がどんどんずれていってしまいました。。。
さて、ここまで
Lawn→芝生→人工的に草(芝)を短く刈り取って手入れされた「芝地」のこと。主に個人の庭に対して使われる。
Grass→草、牧草、芝
Weed(s)→雑草(grass以外の草)
を説明しました。
LawnとGrassの使い方
おさらいです。
Lawnは「芝生、芝地」という意味で「人工的に手入れされた状態」を意味します。
「手入れされている」とはどう言う事か?というと、
✅柴草が短く刈り取られている。
✅柴草が絨毯のように密集している。
と言うと、「じゃ、手入れされていたら日本語みたいに全て”芝生”ーlawnと言うのか?」
そうではないらしく、辞書にもあるように「Lawn=芝生」は主に個人の庭とか、公園の一部に対して使われています。
それでは、日本語で言う「芝生の〇〇」って言いたい場合、何とネィティヴは表現するのか、聞きました。
学校の芝の校庭(運動場)の場合
私が住むクィーンズランド州の運動場は、ほとんど芝で出来ています。
きちんと芝刈り機で手入れされまくっています。
そこで息子に聞きました。
「学校の芝生の運動場」は何て言うの?
“This is a sports oval.”
(これはスポーツ競技場です。)
「芝でできた」って言いたいなら
“This is a grass sports oval.
(これは芝のスポーツ競技場です。)
芝生の校庭なら直訳して
「a lawn schoolyard」❌
って言いそうだけど、”lawn” じゃなくて”grass” の方なんですね。
強いて言えば、殆どの学校の校庭、屋外運動場は芝で出来ているのが当たり前の環境なので、日常会話では、わざわざ”a grass sports oval” とか、” a grass playground” とは言わないのが現実です。
芝生のゴルフ場の場合は?
日本語なら「綺麗な芝生のゴルフ場」って叫びたくなります。
“It’s a beautiful lawn golf course.” ❌
でも英語では、これまた“lawn”は使われません。
ゴルフコースは、もちろんgrass(芝)でできていますが、ゴルフ用語にあるように
カップのある、芝が最も短く刈り取られた”green”とか、逆に芝の長さがまちまちだったり他の植物が混在する “rough” などがあって、個人の庭や公園に設けられた「芝生」とは違います。
もし「綺麗な芝のゴルフ場」って言いたいなら、単純に
”The golf course looks awesome.”
って言うよ。
どうしても「綺麗な芝」を表現したいなら
“The grass is very lush .“
(ゴルフ場の草はとても青々してる。)
って言うよ。
lawn と grass の例文
では、実際にどのようにこれら単語が使われているのか、
例文をあげます。
個人の庭の芝生の場合は、lawnを grassに置き換えて表現しても同じ意味になります。
”lawn” でも ”grass” でも結果、同じ意味になる例
*スプリンクラー(水まき)をセットした。
I set a sprinkler up –
-
on my lawn. (芝生に)
-
on the grass. (柴草に)
個人の庭の芝生以外の所なら” 〜on the grass” が一般的な表現。
*その芝生/芝は緑で生き生きとしています。
The lawn /The grass
is green and fresh.
これも個人の庭なら”lawn”でも “grass”でも両方使っています。結果、同じ意味。
👆実は、この表現は使う状況に注意が必要だそうです。
理由は、「Lawnー芝生」は手入れされているから「Lawnー芝生」と言い、結果として「緑で生き生きした状態」です。
「grass – 柴草」も「緑色」なのは当たり前。
つまり「芝生」=芝が手入れされた状態=芝に水やりで緑を保ち、芝刈りで短く刈り取られた緑のカーペット状態のこと。
だから日本語で「芝生が青々している。」って言うのを、英語的解釈にすると「緑のカーペット状態が青々している。」って同じことを2回言ってる感じだそうです。
「芝が青々した緑だ」ってのも「青い空に白い雲」みたいにポエムみたいなので、
「芝生や草が良い状態」は日常会話で言うなら単純に
“The lawn is nice.”
“The grass is nice.”
が自然なんだそうです。
それをあえて、「芝生/芝が緑で生き生きしている」と表現するからには、それなりの状況があるはず!
上記のような「茶色くなった芝/芝生」がまた「緑に復活」したり、自分の住んでいる所と比較して伝えたいならOK.
枯れてしまったら「芝生」とは言わない?
そこで疑問。
「緑のカーペット状態」=「芝生」ならば、焼けて枯れてしまった場合はもはや「芝生」ではない?
極端に言えばその状態は「芝生:lawn」とは呼ばないそうです。
こう言う場合の会話でよく聞くのが
The grass is getting brown.
My lawn is dying.
My lawn has died.
内陸地の乾燥地で住んでいた頃、まさにこんなセリフを耳にしてました。
ところがストームシーズンになってまとまった大雨の後、一気に緑の絨毯に生き返ります。
そして、会話で聞くセリフが
The grass is getting green.
My lawn is green and fresh.
例文に戻ります。
*芝生/芝の上で寝っ転がると気持ちいいだろうな。
It would be nice to lie down –
- on the lawn.
- on the grass.
これも個人の庭なら“lawn” でも“grass”でも両方の表現が使えます。
もし、草原だったり広い公園だったり、学校の校庭だったら
“〜on the grass” を使います。
*芝刈りしないと。
I have to –
-
mow the lawn.
- mow the grass.
-
cut the grass.
個人の芝生を刈るときにはどれも同じようにように使われます。
もう少し詳しく説明します。
mow the lawn /the grass と cut the grass は同じ?
全て「芝を刈る」と言う意味では同じです。
違いをあえて言うならば、
*mow=芝刈り機で芝を刈る。
*cut = 切る、刈る。
従って、”mow the lawn” と言うと明らかに「芝刈り機」で芝生の芝を刈る。
一方、”cut the grass” は手動で地道に芝をカットする行為も考えられると。。。
でも芝生のある家の持ち主は、皆「芝刈り機ーlawnmower」を持っています。
だから”cut the grass”と言えば自ずと「芝刈り機で芝を刈る」のと同じ意味で受け止められます。
もっとシンプルに
“I gonna mow and whipper snip.”
(芝刈りとトリムする。)
って言うよ。
これを丁寧に言うと、
I’m going to mow and use the whipper snipper.
whipper snipper (wɪ́-pəɾ snɪ́-pəɾ)とは.
“lawnmower” は芝刈り機ですが、もう一つ、手入れに欠かせない存在が
“whipper snipper” と言うトリマーです。
芝刈り機だけでは、フェンス沿いや木の周りなど刈り残しが出来てしまいます。
そこで、この“whipper snipper” で綺麗に刈り上げます。
“mow + 場所” で 「(場所)の芝刈りをする」
個人の庭の芝刈りは
“mow the lawn” と言う表現や
“cut the grass” がよく使われると紹介しました。
では、個人の庭の芝生”lawn” ではない「学校の運動場」とか「公園の草地」で芝刈り機を使っている場合の「芝刈りをする」はどう表現されているのでしょうか?
“cut the grass” はどの場所であってもよく使われています。
では”mow” を使った表現なら?
単純に「mow the その場所」です。
例えば、下記写真は学校の庭を男性が芝刈り機で刈りとってます。
これをネィティヴはどのように説明するか?
“He is mowing the schoolyard.“
*もし学校のスポーツ競技場なら
“He is mowing the school oval“
*公園の草地なら
“He is mowing the park.”
でも、どこの芝刈りしてるか一目瞭然で、あえて場所を説明する必要がないなら単純に
“He is mowing.”
です。
最後に
“The grass is always greener on the other side of the fence.”
って諺があります。
これだと長すぎるので実際は
“The grass is greener.”
と言ってます。
この英語の諺を訳したのが日本語の「隣の芝は青い」だそうです。
自宅から見る芝(grass)は近くてやや上から見るので枯れた芝(grass)が目に付く。
一方、隣の芝(grass)は横方面から見るので青くて立った芝(grass) が目に付き、下の方の枯れた芝(grass) は見えない。
なので「隣の芝-grass」は青く見えると!
「隣の芝生は青い」の方がよく耳にしますね。
でも、もしこれだと逆に日本語から英語に直訳すると
The lawn is always greener…
って言いそうです。。。 😯
まっ、「芝-grass」が育って青々した手入れの行き届いた「芝生-lawn」になり、「そのお隣の芝生が自分の芝生よりも青く見える」と言いたいので、決して間違った英文ではないそうです。
でも有名すぎるこの諺、「lawn 」じゃなくて「grass」の方を使うって覚えときましょうね!
いやー、たかが「草」されど「草」。。。
生活から学ぶ英語ってこういう事なんだな。。。って思います。