「服を着る」を英語で表現すると句動詞の
“Put on your clothes” (Put your clothes on)
が一般的によく使われています。
今回は、もう1つネィティヴがよく使う表現を紹介します。
実例として、早朝の散歩中に出会う「仲良し2人組のおばあちゃん」との会話から。
ここのところ雨が続いた為、いつもの時間にすれ違うお二人に会っていませんでした。
数日振りにお会いして交わした会話で登場した表現が
“get dressed”
これも「服を着る」と言う意味ですが使う場面の背景に家着、もしくは衣類をつけていない状態から「外出する為に服に着替える」時に使われます。
get dressedの使われる場面
「服を着る」場面は色々あります。
この「get dressed」が使われる状況は前述した通り、裸、或いは家着(パジャマなど)から仕事や学校、ミーティング、買い物など外出する前に準備として「服を着る」動作の時です。
つまり「身支度する」時ですね。
では、おばあちゃん達との会話でこの “get dressed” がどうのように登場したのか?
ざっとあらすじを話しますと、私は
*いつものように朝早く起床して「散歩」する為にパジャマから着替えた。
*ドアを開けて初めて「雨」と気付くが愛犬パディはもう行く気満々!
*仕方なく傘さして大雨の中散歩へ行った!
この状況を伝えた時の実際の会話内容です。
Hello,
We don’t see you very much these days!
(ハロー、ここのところ会わなかったね。)
Oh, because we’ve had rain for a couple of days.
(あぁ、だって数日雨だったからね。)
Yes, but actually I took Paddy for a walk on a rainy day.
(えぇ、でも実は雨の日、パディを散歩に連れて行ったんです。)
Because I didn’t notice it was raining, so I already got dressed.
(雨だって気付かなくって既に服を着ちゃって)
Then I opened the door, “Oh, it’s raining!”
(で、ドア開けたら”あっ、雨だ!って)
But it was too late, she wanted to go and didn’t come back inside.
(でももう遅すぎ。パディは行きたがって中に戻らなかったんです。)
So I used an umbrella.
(だから傘持っていきました。)
Oh, I got dressed, too.
Then I realized that it was raining.
(あらっ、私もよ。身支度して雨だって気付いたわ。)
Anyway, Sweetie, you have a lovely day!
(何はともあれ、素敵な1日を。)
ちなみにまだお互いの名前を知らないので、別れる時は私の事を “Sweetie” って呼んでます。
よく年配の女性が年下の女性を親しみを込めて言う時に使われます。
男性からも親しみ込めた感覚で言われます。この場合、「えっ、私の事、好きなのか??」
と勘違いしないよう気を付けないといけませんぞ。
Get dressed (身支度をする、服を着る)の例文
もう少し例文をあげてみます。
身支度する時に使われるので毎朝登場するセリフでもあります。
Hey, school is starting soon.
You should get dressed!
(学校すぐに始まるよ、服着なさい!)
*”get dressed” は具体的に「何を着るか」に重点は置かれていません。
背景に、朝起きて外出する前の「身支度する場面」で使われるので、学校や会社、ショッピングなどその状況でその人が着るべき服は想定されます。
put on が使われる場面
最初に説明しましたが「〜を着る、身につける」と言う表現では
“put on 〜”
もよく使います。
“get dressed” が使われる「身支度する」場面でも
“Hurry up!”
Put your uniform on!
(急ぎなさい!制服着て!)
こんな風に言います。
この場合は何を身につけるか”tシャツ”とか”ズボン”とか”制服”とか、いわゆる「〜を」の目的語が必要になります。
ただ、”put on 〜”にはとりあえず今(何か)を身につける!と言う動作に重点が置かれます。
なのでもしシャワーを浴びた後、ずっと上半身裸のままでいる夫や息子に
「服着なさい!」って言う場合は
“Put your clothes on!”
って言ってます。
put on 〜(put 〜on) と wear の違い
では、私たちが学校で習った「wear」と言う動詞は置き換えられるか?
答えは「NO」なんです。
理由はもうご存知の方も多いと思いますが「wear」は「着ている」と言う状態を表す動詞。
一方の「put on 〜」や「 get dressed」は「着る」と言うアクションを表す動詞。
なので「服を着て下さい。」と言うアクションを伝えるのにもかかわらず
“Please, wear your clothes.”
って言うと非常に妙に受け止められます。
wear your clothes???
夫によると「いつも服、身につけてるよ、僕。。。」って思うそうです。
では、「着ている」という状態を表す「wear」の使い方は?
wear の使い方
既に身に付けている状態の時
Wow! Great!
She is wearing a simple black dress today.
(あらっ、いいわね!彼女、今日はシンプルな黒のドレスを着ているわ。)
着る服を考えて何を着るべきかに焦点が当たっている時
🌟何を着るか悩んでいる時とか、、、
💫「パーティに着ていく服が何もない」とか
”Oh, no! I have nothing to wear for the party!”
⭐️「〜を着てきてください」など身につけるべきものを伝える時。
(これは学校からのメールの一部です。)
Free Dress Days are not compulsory and students may choose to wear their usual
College sports uniform if they prefer.
(フリードレスデーは強制ではありません。学生たちが望むなら普段のスポーツユニフォームを着ても構いません。)
まとめ
「(服)を着る、身につける」と言う表現は、英語の場合、動詞は動詞でも
”着ている” 状態 →wear
”着る”と言う動作 →get dressed / put on
と使い分けが必要になります。
私がネィティヴから教わった1番わかりやすい「使い分け」の決めてが,すでに説明しましたが、
wear → その日に着る服を考えて「何を着るべきか?」「着ているか?」
get dressed → 朝の身支度の時に言う「服着て準備しなさい」の場面
put on 〜(put 〜on)→とにかく「今何を身につけるか?」の場面
これで状況判断しています。
それにしても”get dressed” は、生活を通してネィティヴが言っているのを聞いて身につけた熟語の1つですが、今回みたいにお婆ちゃんたちとの立ち話で使えるなんて思いもせず、「毎日訓練しといて良かった!」と思わず自分を勇気づけた瞬間でございました。
継続は力なり。。。 😀