田舎暮らし中の出産体験

私は40歳の時に最初で最後の妊娠、年をまたがって無事41歳で男の子を授かりました。

当時‘高齢出産’に加えて信号のない人口わずか1万人程度の‘田舎町暮らし’。

都市に住んでいれば、施設の整った大きな公立・私立の病院はたくさんあります。

勿論、田舎町にも病院はあります。GP(ジェネラルプラクティショナーと呼ばれる全ての分野に渡って診察する医師)も助産婦(midwife)もいます。

でも専門分野のスペシャリストは居ません。何か緊急事態が発生した時の特別な設備もないので、その場合は‘都市の病院’に転送されるのです。

時には、ヘリコプターで!

結局、私の場合は高齢出産のリスクを考慮にいれて‘都市の病院’で出産しました。

もし、私と同じように田舎町で出産を控えている方の参考までに体験記をお伝えします。

まずローカルGPにアポイントをとる。

最初に行く病院は、地元の病院です。私が住んでいた町には3つありました。

公立病院(public hospital)が1つ、私立病院(private hospital)が2つほど。

田舎町では一番大きい病院が公立病院です。診察、検査から手術、出産、入院まで受け入れています。

ちなみに私が当時住んでいた田舎町の公立病院の写真をご紹介。

 

一方、田舎の私立病院と言えば一般に小規模で診察や検査を受け入れ、必要に応じて公立病院や都市病院へ紹介の橋渡しをします。

‘medical practice’ ‘medical centre’ ‘medical clinic’と称し、中には公立病院に属しているケースもあります。

地元のママに聞いて私立病院のGPの方が予約しやすいし、待ち時間が少ないと薦められたのでそこの‘medical centre’ で妊娠チェック。

尿検査や血液検査の結果、めでたく妊娠と診断された後はGPがその後の予定を説明してくれました。

GPのアドバイスに従って定期健診。

定期健診は体重、血圧、尿検査、血液検査、エコーで心拍数チェックなど。

私の住んでいた町では、ある週から助産婦滞在の公立病院で定期健診を受ける流れでした。

担当医師がその為の紹介状(referral)を書いてくれ、公立病院に通知してくれました。

その後は、公立病院のWomen’s healthセクションで医師・助産婦健診。

そこでは健診の他に‘妊婦セミナー’も開催されて助産婦さんによる出産前のアドバイスを受けました。

‘都市’で超音波健診(ウルトラサウンド)を受ける。

 

田舎には‘ウルトラサウンド’(超音波)’の設備がありません。

担当医の指示に従って紹介された所に自身で予約をします。詳しい分析結果は、後日病院に送付され医師から説明を受けます。

私の場合、都市まで車で約1時間半。夫に連れて行ってもらいました。つわりが7か月目まで続いたので、道中かなり辛かった記憶があります。

更に健診の1時間前に1Lの水を飲まなければいけなかったので、ペットボトルも持参して車中でゴクゴク飲みました。

そりゃトイレに行きたくなりますよ、1時間もすると。予約時間にすぐ健診してくれればいいですが待たされる方が多いです。

ある時、もうこれ以上我慢できない限界に達しました。夫がレセプションの女性に事情を説明し、トイレの許可をもらいました。ただし、少しだけで全部はダメ。それでも助かりましたよ~。

 

どこで出産する?地元病院か都市の病院か!

一番大事な事は‘どこで出産するか?’田舎なら特に差し迫る決断です。

地元病院で出産できるなら、陣痛が始まってもすぐ駆けつけられる距離。都市病院となると予定日前からその病院近くのどこかで滞在する必要があります。

ただ、田舎の病院にはスペシャリストや整った設備がない。何か問題が起きたらヘリコプターで転送される。。。

担当医師や助産婦さんと相談しましたが人によって意見が分かれるので最初は困惑しました。

例えば私の場合は‘高齢出産’に伴うリスクが心配でした。

でもそれ以外はいたって健康な優良妊婦。ひどい糖尿病を抱えた若い妊婦が一杯いる中で私はリスクが低いみたいで、公立病院のちょっと手強い中国人女性担当医は自信満々で‘ここで出産派’のご意見。助産婦さんは中立の立場。

私立病院のGPに相談すると、何か問題があった時にスペシャリストがいないリスクは大きいとの事で‘都市病院推奨派’でした。

地元ママにもいろいろ聞いて、最終的にやはり安心な都市病院での出産を決断しました。

担当医師に紹介状を依頼する。

 

都市病院での出産を決断した時点で即、担当医に‘紹介状’(referral)依頼です。

その後の流れは、

  1. 担当医が直接その病院に紹介状をFAX、もしくはメールで添付送信。
  2. その後、紹介された病院側から最初の予約日の連絡が来る場合と、自分で予約する場合があります。担当医が説明してくれるはずです。
  3. 予約日に紹介された都市病院に行き、医師健診とその後の流れの説明を受ける。

☆私の場合、通常の定期健診は従来通り地元病院で、‘超音波検査’やその他の決められた医師検診は都市病院でした。

予定日間近だ!どこで滞在する?

遠隔地で住む妊婦が都市病院で出産する場合、予定日の2週間前からその病院の近くに滞在します。

親戚・知人宅に滞在

親戚や知人がその都市に住んでいてその家に滞在している人も多くいました。

政府サポートの宿泊所で滞在

遠隔地居住者が、ある期間入院や通院を余儀なくされる場合に政府が滞在先をサポートしてくれます。

私はTownsville病院で出産予定でしたが、その都市に知人も親戚も居なかったので‘マクドナルドハウス’に滞在しました。

これは無事に出産、退院後にスタッフの方と撮影した時の写真です。

病院の敷地内にあり、歩いても10分程度なので滞在中の定期健診も一人で行くことが出来ました。いざ緊急事態になってもマクドナルドハウスのスタッフが常時滞在しているので安心。

その他にも‘レッドクロス’が隣にありました。

地域によって違いますが全てネットに案内されています。

‘Accommodation Options For Long Distance Patients’と検索するとたくさん表示されます。

クィーンズランド州の案内はこちら↓

Accommodation near hospital
Accommodation options near hospitals for family and visitors.

手続きの仕方はこちら↓

The Patient Travel Subsidy Scheme
Learn about subsidies available if you have to travel a long distance for medical treatment.

☆もし空きがない場合も近くの宿泊所が案内されています。

マクドナルドハウス滞在中の過ごし方

私が滞在した‘Townsville’のマクドナルドハウスは全て個室でホテルみたいでした。テレビもシャワー・トイレも各部屋にあったので快適そのもの。

 

 

部屋でゆっくり落ち着いて読書やテレビを見ていました。

キッチンで自炊

料理は自炊です。

キッチンはシンクが多数あって家庭科の教室みたい。各自空いているキッチンカウンターを使用でき、調理道具は全て揃っているので特に持参するものは無し。

テーブルも設置されていて、他の人と交流を図ることもできます。

更にスタッフが手作りのケーキを焼いていつもカウンターに置いてくれ、自由に食べてよし。

冷蔵庫は業務用が設置されていて1棚分使用できます。ここに自分で購入した食料を各自の指定棚に保管。

ミルクは無料で提供され、別の冷蔵庫に常に切れることなく補充されていました。

 

洗濯コーナー(有料)もアイロンする場所もあり。

洗濯・ドライヤーは有料でしたが、外に干す場所も設けられていました。

ベッドのシーツやタオルは無料で交換してくれました。

ラウンジ・中庭でくつろぐ

ラウンジも広くて綺麗で、ここでゲストと共に自由にコーヒー・紅茶が飲めます。

中庭には人工芝が敷き詰められていて、軽いスポーツを楽しめます。

緊急時の対応

マックドナルドハウスには常にスタッフが滞在していました。

緊急時には部屋から電話もしくはレセプションへ行って事情を説明すると、スタッフが車で病院まで連れて行ってくれます。

私の場合、いつ陣痛がくるか毎日ドキドキものでしたが予定日の午後まで何も起こらず。その時は夫が共に部屋に滞在してくれていました。

その夜に軽く破水したので夫と共に病院へ行きましたが、まだ本格的な出産体制ではなく翌朝早朝に来院し陣痛促進剤をうつ運びとなりました。

その時には、マクドナルドハウスのスタッフの方が夫ともども車で病院まで連れて行ってくれました。同じ敷地内なので歩いても10分、車だと2,3分です。

 

出産前にこんなに近くに滞在できるのは、本当に気持ちも楽で安心でした。

私がお世話になったのは2009年6月。更に施設が充実しているようです。詳しくは下記のホームページをご覧ください。

RMHC North Australia | RMHC Australia
Welcome to Ronald McDonald House Charities North Australia. We are an independent, not-for-profit organisation dedicated to providing vital programs for famili...

 

やっぱり良かった!都市病院で出産。

広い綺麗な個室でいよいよ’陣痛促進剤’を投与です。

ドキドキする私とは正反対でくつろぐ夫。

 

 

午前10半ごろから投与後、痛みとの戦いが始まったとは言えとても順調な流れでミッドワイフにも「多分この流れだと午後2時か3時には生まれるね」と言われていました。

ところが事態が変わり約14時間以上の陣痛の果て、赤ちゃんの心拍数が低下してきてこのままだと母子ともに負担がかかりすぎると言う診断のもと、急きょ「帝王切開」をする運びに。。。

既に日付が変わっていました。恐らくガスの吸いすぎで意識も朦朧状態。痛みだけは続く。。。

帝王切開に切り替わってからドタバタと医師やナースたちが素早く準備する中、気が付けば手術室。この間、麻酔医やら手術同意のサインやら。。。

術中は、右側に優しそうなドクター、左側に夫が手を握ってついてくれてました。

無事に出産後、赤ちゃんを見せてくれた時は「感謝」の気持ちでいっぱいでした。

やはり急変が起きたり、対応の素早さや熟練された知識のあるスペシャリストや医師やナースのいる病院で出産してよかったとつくづく思います。

入院中

私は帝王切開だったので3日間入院でした。

真夜中の出産を終えた朝は、さっそくミッドワイフが来てシャワーを浴びるのを手伝ってくれました。

赤ちゃんのお風呂の入れ方、おむつの交換法、寝かせ方、母乳の与え方など丁寧に伝授。

夜中に泣き始めて、なかなか泣き止まなくて困っていてもすぐ駆けつけてくれて助けてくれました。

ちなみに夫はこの間、マクドナルドハウスに滞在して面会時間に会いに来てくれました。

出された食事もご紹介。

 

出産後の定期健診など

田舎町に戻ってからの定期健診は、従来通り公立病院の‘women health’セクションに通いました。

出産前からお世話になっているミッドワイフとは家族みたいな親近感です。

ここで定期的に‘出産後のセミナー’も開催。

又、母乳育児をサポートしてくれるサークルがあり家まで訪問してくれてアドバイスしてくれました。

病院でのセミナーやママサークルは本当に力強いサポートとなりました。

 

政府推奨ベビーカプセルのレンタル

出産後、車での移動で早速必要なのが‘ベビーカプセル’です。

購入の前にひとまずハイヤーするママも多くいます。

私は自分の車にハイヤーした‘ベビーカプセル’、夫の車に購入した‘新生児から対応タイプ’のチャイルドシートを取り付けていました。

政府推奨の‘Kidssafe qld’を利用

私が出産した2009年は、各地域のambulanceがハイヤーから設置までのサーヴスを請け負っていました。

このambulanceでのサーヴィスは2004年6月30日をもって終了し、代わりに受け継がれたのが‘kidssafe’です。

3か月から6か月のハイヤーが可能で料金もリーズナブル、従来通り車への取り付けもしてくれます。その他、チャイルドシートも含めてたくさんの種類がありたくさんのママが利用しています。料金も含めて案内したホームページがあるので参考にして下さい。

https://www.kidsafeqld.com.au/services/child-restraint-hire

まとめ

例え田舎に暮らしていても、地元病院から都市病院への紹介システムが必ずあります。

又、遠隔地患者の為に政府サポートがあつく’交通費’や’宿泊サポート’が受けられるのでぜひ活用させてもらいましょう。

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