【ロムルスとレムス/ Romulus & Remus】の物語:ローマ建国神話を知る。

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ローマ建国神話で有名な「ロムルスレムス」の物語を簡単に紹介します。

神話によると、ローマの建国は双子の兄弟ロムルスとレムスによるものとされています。

この伝説の兄弟の起源、悲劇的な初期の人生から、いかにしてローマの歴史の象徴的な人物になったか、順を追って紹介します。

登場人物

まずは主な登場人物の説明から入ります。

ここでは、日本語(カタカナ)読みで説明しますが、英語の発音は全くと言っていいほど違うので、そちらも紹介しておきます。

兄ヌミトルと弟アムリウス                      

まず、最初の重要人物として登場するのが、イタリアのアルバ・ロンガと言う都市の12代目の王、プロカスの二人の息子、兄ヌミトルと弟のアムリウスです。


*兄ヌミトル(Numitor):アルバ王プロカスの長男で父の死後に王位につく。

*弟アムリウス(Amulius):ヌミトルの弟で、兄ヌミトルの王位を奪う

レア・シルヴィアと軍神マルス & 双子ロムルスとレムス        

次に兄ヌミトルの娘、レア・シルヴィアと軍人マルス、そして二人の間に授かった主人公の双子の兄弟、ロムルスとレムスです。

*レア・シルヴィア(Rhea・Silvia):ヌミトルの娘で、双子のロムルスとレムスを産む。
*マルス(Mars):古代ローマの軍神で双子の父親。
*ロムルス(Romulus):双子の兄。やがてローマ建国支配者となる。
*レムス(Remus):双子の弟。兄に逆らい殺されてしまう。

雌オオカミと羊飼い夫婦                       

そして、「ロムルスとレムスの物語」と言えば「雌オオカミ」です。更に、二人を発見して養父母となった羊飼いの夫婦も登場します。

*狼(Wolf) : 羊飼いに見つかるまで、双子に乳を飲ませて育てる。
*羊飼いの夫婦:ファウステゥルス(Faustulus)と妻アッカ・ランティア(Acca Larentia)が兄弟を養う。

あらすじ

それでは、物語の始まりです。

約 2,800 年前、イタリアにアルバ・ ロンガと呼ばれる都市がありました。 その名前は「白くて長い」という意味です。

12代目の アルバ・ロンガの王、プロカスには二人の息子がいて、長男はヌミトルと呼ばれ、彼の弟はアムリウスでした。

プロカスの死後、王後継者となったのが長子のヌミトル。

さて、弟のアムリウスは、兄ヌミトルが統治していたよりも自分が王としてもっと良い仕事ができると考えました。

 そこである日、彼は荒くれ者たちを集めて宮殿に侵入し、ヌミトルを玉座から引きずり落とし追放。

後継者候補になりうる息子二人を殺害、娘のリアは二度と後継者が現れないようにするため、彼女をウェスタの巫女(かまどの処女神ウェスタの火を守る仕事で、一生涯未婚のまま純潔を守る)に送り出してしまいました。

ところが、しばらくして「リア」が双子の男の子を出産しました。 少年たちの父親は「戦争の神マルス」と言われています。(その他説あり)

 

リアに双子が誕生した事を知ったアムリウスは、いつか彼らが大人になったときに自分に復讐するのではないかと恐れました。 遅らせるよりも早く行動したほうが良いと考え、殺害を計画します。

母親であるリアに関しては、当時独身の誓いを裏切ったウェスタの巫女(ふじょ)は死刑を宣告されるのが慣例でしたが、アムリウスは双子の父であろう”マルスの神”の怒りを恐れて殺さずに投獄させました。

そして双子は、年老いた使用人にテベレ川へ投げ込んで溺死させるように命じました。アムリウスは、双子が剣ではなく風雨によって死んだならば、彼と彼の街は神の罰から救われるだろうと推論したのです。

当時、数週間雨が降り続き、テべレ川が堤防を氾濫させていました。

使用人は双子の赤ちゃんを憐れみ、助かるように籠に入れて川に乗せました。

彼は籠が下流へ流されていくのを見て、双子が気の毒で涙を流しました。

しばらくすると、彼らの籠は近くのイチジクの木の根に引っ掛かりました。

使用人はぼやけた視線を通して、雌オオカミがその木の後ろから出てきて、双子のところへ駆け降りるを見ました。


もうこれでおしまいだ。。。と思いきや、雌オオカミは赤ちゃんたちを食べたり危害を加えたりする代わりに、彼らの泥を舐め取りました。

次に、雌オオカミは一人ずつ優しく口に含み、洞窟に運んだのです。


使用人は宮廷に帰って王にこの事は告げず、「命令を遂行しました。」とだけ報告しました。

双子は、雌オオカミの乳を飲み、キツツキが運ぶ実を食べて育ちました。

やがて、羊飼いのファウスティルスが彼らを洞窟で見つけます。

(一説には、川の神ティベルヌスが氾濫を静め安全を確保し、火星の神聖な雌オオカミとキツツキがファウスティルスが見つけるまで双子を育てたと言われています。)

双子は、その後羊飼い「ファウスティルス」と妻の「アッカ・ランティア」に引き取られます。

夫婦は双子を「ロムルス」と「レムス」と名付け、棒と藁で作った質素な小屋で育てました。

やがて二人は丈夫な若者に成長し、彼らも牧夫として働き、動物の世話をしました。

一方で、どのヤギが誰のものなのか、丘のどの部分で動物に餌を与えられるのかなどをめぐり、他の牧畜民と喧嘩になることもありました。

ある日、彼らがパーン神(羊飼いと羊の群れを監視する神)の祭りに向かう途中、牧畜民の一団が彼らを襲い、弟レムスを捕らえました。 彼らはレムスをアムリウス王の法廷に引きずり込み、ヤギを盗んだとしてレムスを告発したのです。

(ある説では、追放された「元ヌマトル王」と王位を奪った弟「アムリウス王」との間には10年にわたる論争が続き、両者と彼らの熱烈な支持者の一派が争うまでに発展し、双子はヌマトルの側で巻き込まれ、ある日アムリウス王の軍人らによって捕らえられた、とあります。)

アムリウス王は弟レムスに、自分の出身地や両親についていくつかの質問をしました。

レムスは、双子の兄がいて二人とも捨てられ、川のほとりでオオカミに助けられたと 説明しました。

これを聞いたアムリウスは、レムスが18年前に溺死を命じた双子の一人ではないかとすぐに疑い、彼はレムスを刑務所に放り込んでしまいます。

(一説には、兄のロムルスは、弟を助けようと必死に男たちを集めていました。そこで養父ファウスティルスから自分たちの生い立ちを聞いた、とあります。いずれにせよ、この頃二人は自分達の生い立ちを知ります。)

兄ロムルスと支援者たちはすぐに宮殿を攻撃し、レムスを救出してアムリウスを殺害しました。

彼らは、アムリウスによって追放されていた「祖父ヌミトル」をアルバロンガ王としての正当な地位に復帰させました。

そして彼らは本当の母であるリア・シルヴィアと再会し、彼女は彼らの父親は神マルスであり、彼らはきっと偉大なことを成し遂げる運命にあると告げます。

そこで二人は、自分達の都市設立を計画します。

兄ロムルスは理想的な場所として「パラティーノの丘」を選びました。 彼らが育ったいちじくの木の洞穴はこの丘のふもとにあったからです。

弟リムスは「アヴェンティーノ」と呼ばれる別の丘に目を付けました。


兄弟たちは、どの丘が都市に最適であるかについて口論を始めましたが、それはズバリどちらが決定を下して「新しい都市のになるかについての議論でした。

最終的に彼らは「解決法」として、前兆と呼ばれる「神々からのサイン」を探すことで同意しました。 それは「鳥の飛行」でした。

ロムルスとレムスは、それぞれがお気に入りの丘に立って、「鳥の飛行を最初に見た人」が勝負に勝つことで同意しました。

 もちろん、警備員がそれぞれの側に立って、不正行為がないかを確認します。

約束の朝の夜明けに、兄ロムルスはパラティーノの丘に立ち、弟レムスはアヴェンティーノの丘に立ちました。

兄 ロムルスは空を探しましたが、鳥は全く見えません。彼は、弟のレムスが先に鳥の群れを見つけるのではないかと心配し始め、いたずらをすることにしました。

彼は使用人を送って弟レムスを連れて来させ、鳥探しから気をそらさせようと企みました。

ところが、使者がまだ弟側へ向かっている間に、弟レムスは6羽のハゲワシが右側から飛んでくるのを見たのです。

これは明らかに幸運の兆しでした。 弟レムスは兄の使者から伝言を受け取り、反対側の丘にいる兄ロムルスのところへ行きました。 到着すると、彼はこう言いました。

 

ロムルス、僕は 右から6羽のハゲワシが飛んでいるのを見たぜ。そっちは何を見たんだい?」

兄ロムルスは「何も見ない」と答えました。

その時です!12羽のハゲワシが空に現れ、兄ロムルスはこう言いました。

 

明らかに 神々は私が勝者であることを示してくれた!

これを聞いた弟レムスはだまされたと感じて反論しました。

 

先に鳥を見たのは俺だ!

俺の勝ちだ!

でもこのコンテストで、正確には何も決着しませんでした。

それにもかかわらず、兄ロムルスは「パラティーノの丘」に都市を建設する計画を推し進めました。

まず彼は神々に祈りを捧げました。

 

ロード・ジュピター、父なるマルス、母なるベスタ、そして私たちを見守るすべての神々よ、私の街を見下ろしてください。 それが長く続きますように、そしてそれが世界を支配しますように。

ジュピターはロムルスの祈りに光で応えました。

弟レムスは怒っています。

兄ロムルスが自分の都市を建設中、弟レムスは彼の城壁と都市をからかい続けました。

 

そんな低い城壁で守れるはずがない。

そうレムスは冗談めかして、大胆にも壁を飛び越えて見せました。

この弟の軽蔑と屈辱に激怒したロムルスは彼を殺害してしまいます。
(ある説では守護兵が激怒して殺してしまったとありますが、ほとんどは、ロムルスがレムスを殺害したと伝えています。)

この弟レムスの死とローマの建国は、紀元前 753 年 4 月 21 日とされています。

これが、ざっと「ロムルスとレムス」の物語で「ローマ建国神話」の大まかな内容です。

西洋では有名な神話なので教養の一つとして知っておきたいですね。

⭐️日本語で説明されている本はこちらです。歴史背景も学べる教養編です。

ローマ建国伝説 ロムルスとレムスの物語
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⭐️海外の子供達が呼んでいる英語版はこちらです。

The Mythical Story of Romulus and Remus
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オーストラリアの人気番組、「LEGO Masters」である二人組(2023年レゴマスターズグランドチャンピョン)がこのローマ建国神話「ロムルスとレムス」の物語を「ローマの歴史」の第一幕として再現しました。

その時に審査員(ブリックマン)が英語の慣用句“Last time I checked,”(私が知る限り)皮肉系で使う場合”のセリフを彼らに言った時の記事はこちらです。

この物語の内容を知っていれば、「なるほど!だからブリックマンはアドバイスとして彼らに言ったんだ!」と納得できる内容です。

 

 

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