海外在住でしかもコロナ禍のため父が亡くなっても帰国できなかった私。
離れながらもどうにかして父を見送りたいとの思いからやった事、その一つが「手紙を書く」事でした。
急な訃報でパニック状態、帰国はできず心の整理もつかない状態。
きっと私のように亡くなった人と最後のお別れができず「手紙」を書こうと思いたった人は多いはず。
でもその手紙をどんな形で届けるか?
葬儀に参列できるなら出棺前の「別れの儀」で別れ花と一緒に納める事ができるけど海外からだと到底間に合わない。
当初、訃報を聞いてすぐは気持ちばかりが焦り、
「葬儀に参列できない代わりに何とかして棺の中の父にメッセージだけでも届けたい!」
と即日で届ける方法がないか調べまくりました。
「葬儀、手紙、即日」
と検索すると案の定 ”弔電” ばかりの情報。
弔電は喪主に対して送るもの。
だけど葬儀に間に合わせたいならこれしかない。。。
そこで母に相談すると
「帰国できないのはしょうがないから焦らないで直筆で落ち着いて手紙書いて送っておいで。そしたら四十九日までにお父ちゃんの遺影の前にお供えするから。読んで欲しかったら読むし。。。」
と言ってくれたので実家に送って父の祭壇前で母に読んでもらう事にしました。
それは「手紙参り」というサービスを提供する「手紙寺」
しかも一才開封されないので誰かに読まれることを意識することなく本心から自分が伝えたい事を書けます。
手紙に指定の宛先を書いてポストに投函すると、届いた先で無料でお焚き上げをしてくれる、一般社団法人手紙寺が始めた「手紙参り」という仕組みです。
手紙寺とは
手紙寺の住職、井上城治氏が2004年に寺院で「手紙参り」を始めたことが由来でその後2019年3月に一般社団法人として法人化し現在は東京都2ヶ所、埼玉県1ヶ所、千葉県1ヶ所にあるそうです。
そもそも井上住職ご自身が父である先代住職からの手紙を受け取った体験談から取り組まれました。
時を超えて故人から送られる言葉、また逆に故人へ送る言葉は亡くなった人と今を一生懸命生きる人を結んでくれるのだと思います。
この手紙寺は2つのサービスを行ってくれます。
亡くなった人へ書いた手紙を供養してくれる手紙参り
大切な人に伝えられなかった思い、語りたいことを手紙に書いてもそれを渡せなければ何となくやり残した気分がします。
でもこの手紙寺の所定先に届けるとちゃんとその手紙をお焚き上げ供養してくれるのです。
自分の死後に差出人に届けてくれるラストレター
ラストレターとは自身が亡くなる前に書いた手紙を亡くなった後に差出人に届けてくれるサービス。
オリジナルの「手紙箱」(1万3200円/送料別)を作ってこの中にラストレターが収められ封印して厳重に保管されます。
生存中は状況が変化するのそれに合わせて何度でも手紙の内容を変更したり、その都度書いたり写真を同封したりできるとのこと。
その時に正直な自身の残したい気持ちを書く。
遺言と違って金銭面のことではなくあくまでも残したい、語り継ぎたい気持ちを書いて残す。
こちらで日本のアニメ「4月は君の嘘」を息子と見た時の最終回の場面が頭をよぎりました。
病と闘いながら自身の命がもう長くないと悟った”宮園かをり”が天才ピアニスト”有馬公正”に残した手紙。
生存中に伝えられなかった想いや感謝の気持ち、そして今後の彼の人生へ向けてエールを送りそれを読んだ公正が前へ向いて生きる力をもらう。
涙、涙で見ました。
大切な亡き人へ書く手紙、
逆に自身が去った後に届ける手紙、
デジタル化が益々進む世の中で直筆で言えなかった思いや伝えたい事を書く時間を作る事は
自身と向き合い、
書く事で気持ちに整理がつき、
結果、ほんの少しでも前を向いて生きる気持ちになれる!
人は皆生まれたからにはいつの日か「最期の日」を迎える。
でも心の繋がりは決して終わることはなく、むしろ大切な故人を想う気持ちは強くなると思います。
私は海外在住でなかなかお墓参りも出来ないけど手紙を届けて供養してくれる手紙寺の存在を知ってほっとしました。
詳細はこちらの公式サイト。
手紙箱や手紙参りの仕組みを分かりやすく紹介しているサイトはこちら。