今回は、句動詞【try ( something) out】又は、【try out (something)】の紹介です。
これもあのジャック・ブラック主演の映画“School of Rock ”に登場しました。
日常生活でもネィティヴが使う表現です。
訳すと「〜を試してみる」ですが、”try out”と句動詞で表現することで、聞き手に「それが役に立つか、または適しているかどうかを確かめるために、テストしたり使ってみる」と強調する意味合いが加わります。
それでは、映画”School of Rock”での登場場面をもとに、他にも例文を挙げて、どのような場面でネィティヴが使っているのか、みていきます。
ネィティヴから教えてもらった、”out”が持つ意味をどのようにイメージするかも説明します。
Try (something) out
では、早速映画のシーンを振り返ります。状況を把握するために、ジャック・ブラック(先生役)とローレンス(生徒)とのやりとりを再現します。(動画もこの後で)
What’s your name?
Lawrence
Lawrence, you ever played keyboards any techno?
No, I only play piano.
Okay, all right, fair enough.
Try this out for me.
このように、ジャック・ブラック演じる先生が、ピアノしか弾いたことがないローレンスに対して、キーボードで自分がバンドで演奏したい曲の一部を試してみよう!と言う状況で
Try this out for me.
(僕のためにこれを試してみてくれ)
彼が適正かどうか、試しに弾かせてみたかったからですね。
では、実際のシーンを動画でどうぞ。(このシーンの部分だけ再生できるようになっています。)
try + out のイメージ
私は”try out “の表現を最初に聞いた時に
あれっ、tryだけじゃダメなの?
Try〜だって、“〜をやってみる、試す”で同じ意味では?
と困惑したもんです。
結論から言いますと、ネィティヴによると、「〜を試す」と意味で使う場合は非常に似ている。強いて言えば、try out を try だけに置き換えても通じると、、、
例えば、
🔸Try this new computer out!
🔸Try this new computer!
どちらも、「新しいコンピューターを試してみなよ。」と言う意味。
ただ、前述しましたが、try out の方が、より自分に合っているか試す、テストしてみる意味合いが強調される!と言うことです。
では、もう少しネィティヴ感覚を掴む為に、突っ込んでみます。
Try の意味のイメージ
まず、tryの意味の中には、その背景に
このように、何かに挑戦する、努力を伴って何かに取り組んでみる、試しにやってみるという状況下で使われます。
最後の「試しにやってみる」と言う意味では”out”を付けなくても通じます。
try out のイメージ
そもそも、out の意味は
「外へ」「なくなる」「はっきり、明確に」と言った意味が伴います。
私がネィティヴから教わったのは、「動詞にoutが付いたら、その動詞の意味のパワーが内から外へ向かうイメージを持つ」でした。何となく、あったものが内から外へ出てなくなってしまう、とか、内から外へ飛び出してそれをはっきりさせる、って感じ。
例えば、try outならば、試すパワーがもっと内側から外へ放たれる。つまり試し出してやる!あってるかどうか、はっきりさせてやるって感じ。
一方、それ以外の「何かをするために努力する」とか「何かを達成又は完了しようと試みる」場合でtry が使われる時は、try outに置き換えられません。意味あいが違いますからね。
例えば、
I tried my best on the math exam last week.
(僕は先週の数学のテストに最善を尽くした。)
❌ I tried out my best on the math exam last week.
I don’t know where she is. Please try calling her on her mobile.
(彼女がどこにいるか分かりません。携帯に電話してみてくれますか?)
❌ Please try out calling her on her mobile.
Try (something) out の例文
では、try (something) out の例文をあげます。
⭐️Lanny is trying out her new bicycle.
(ラニーは新しい自転車を(どんな感じか?合っているか?)試しています。)
⭐️Don’t forget to try out the equipment before setting up the experiment.
(実験を始める前に、必ず機器(がきちんと作動するか)を試してみることを忘れないで下さいよ。)
⭐️They’re trying out a new presenter for the show.
(彼らは番組に新しい司会者を(うまくいくかどうか)試してみてるところです。)
⭐️Let’s try out these dishes together!
(これらの料理を一緒に試してみましょうよ!)
これは、実際にFacebookで見たものです。
句動詞をイメージで捉えるおすすめの教材
ネィティヴは、日常会話にガンガンと句動詞を使いまくります。
単に意味を丸暗記するよりも、「動詞+前置詞(又は副詞)」をイメージしながら例文で感じとる事が大事です。じゃないと、使わないとすぐ忘れます。。。
そこで、お勧めの教材です。
*この教材は、「前置詞と副詞」の空間的コアイメージをイラストで伝えてくれ、更にフレーズ単位で分かりやすくイメージトレーニングさせてくれるお勧めの教材です。簡単な例文なのでイラストと共に何回も声に出して、フレーズで習得するのがポイントです。
*これは、「句動詞」に焦点を置いたのではなく、「前置詞や副詞」をとにかく「英語感覚」でどう捉えるか!にこだわった教材。
学校で習った受験対策用の「前置詞、副詞」の意味だけでは、どうしても限界があります。
例えば、「on」は当たり前のように「〜の上に」と習ってきて、それが単純な
”I put a pen on the table.” なら「テーブルの上にペンを置いた。」で問題なくすんなり納得。
でも、「私はパソコンで資料を見ています。」と伝える時にも”on” を使います。
”I’m looking at the document on my computer.”
これを単純に「〜の上に」と訳してしまうと、「私はパソコンの上で資料をみています。」となって何となく言いたいことは分かるけどしっくりきません。
ここで、英語感覚が必要!
前置詞は「静止」しているのではなく、「動いている」ものとして捉えます。
つまり、「on」は、ある目的のために動く、機能する = 「動いて機能する」と表現したい時に使うと知っていると、「あー、資料を見るためにパソコンを機能させている」「パソコンを機能させて資料を見ている」だから「on my computer」って表現なんだ!とネィティブ感覚が身についてきます。
いずれにしても、「前置詞や副詞」は「日本語」として捉えると限界が、また「句動詞」も丸暗記すると、使わないといつか忘れる日がやってきます。
結局、私が海外生活で学ぶ英語は、全く受験勉強と正反対です。「ネィティヴはこう捉える!」と教えてもらって初めて「英語」が楽しくなりました。
地道に「なりきりネィティヴ感覚」、つかみましょうね!