Robert’s Rulesの会議!Move, Second the motion って?

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Robert’s Rules of Order(ロバート議事法)】 と呼ばれる会議の方法、ご存知でしょうか?

各種委員会等の公式な会議や、コミュニティグループでは、AGM(アニューアル ジェネラル ミーティング)と呼ばれる年次総会があり、その会議でも使われる方式です。

先日、私は息子が所属する「オーケストラ団体」のオンラインAGMに初参加しました。

実は、その数週間前にも彼が所属する別の「バンド団体」のAGMがあったのですが都合がつかず、後日、Eメールに添付されてきた「AGM Minutes(AGM議事録)」に見たこともない表現が!

抜粋したものがこちら↓です。

各議題の後に

Moved: 名前  Seconded:名前 」

と言う、私にとっては全くもって解釈不可能な表現があるではありませんか!

こりゃ知らないと別の会議参加どころじゃない!

と慌てて夫に教えてもらい、自身でも勉強しましたよ〜。

日常英会話とはかけ離れた世界。次の会議前にちょっと予習しといたからよかったものの、知らなかったら私だけ浦島太郎状態でした。

海外の公式会議に参加されてる方ならご存知だと思いますが、そこでは「ロバート議事法」とか「ロバート議事規則」と呼ばれる会議の進め方がされていて、そこにガンガン登場しまくる「議会用語」に私は遭遇したわけです。

きっと私のように何かしらの団体に所属して、年次会議に参加する機会がある方もいるかもしれません。知識として知っておいて損は無いです。

と言うことで、ここではロバート議事法とは何か?またそこに登場する議会用語の意味、更には実例もあげて紹介します。

そもそもAGMとは?

Annual General Meetingの略でAGMと呼ばれます。年次総会 (AGM) は、年に 1 回開催される会議で、すべての慈善団体のメンバーが出席するようEメールやFacebookを通して招待されます。

AGMの目的                       

AGM の目的は、

*メンバーに、前年の慈善団体の活動財務に関する報告を行い、メンバーが質問する時間を設ける。

*慈善団体の運営機関 (理事会または委員会) のメンバーを選出する。

運営方法の変更に投票したり、役職に人を任命する。

などです。

そして、会議内容は議事録が取られて、後日全メンバーに送信されます。

 Robert’s Rules of Orderとは?

それでは、これら公式会議に使われている「Robert’s Rules of Order」を簡単に説明します。

基本ルールがなければ、会議はすぐに混乱に陥りますね。例えば、一部の参加者が議論のトピックを一方的にコントロールしようとしたり、好き勝手に隣の人と意見を交わしたりすると、議事進行から完全に離脱したり、他のメンバーは段々興味を失っていく可能性がありますよね。

結局、会議は全員の時間を無駄にすることになります。

Robert’s Rules of Order とは、訳すと「ロバート議事規則(議事法)」。

1876年にアメリカ合衆国の陸軍少佐、ヘンリー・ロバート将軍がアメリカ議会の運営規則を基に一般の民間団体にも適応できる会議運営のルールブックとして作成したのが、このロバート議事規則(議事法)と呼ばれるものです。

ロバート議事規則は、会議が話題から逸れるのを防ぎ、礼儀正しさを維持し、グループ内の多数派と少数派の両方の権利を保護するとされています。

多くの組織が「ロバーツ議事規則」の会議の枠組みに従っていて、決定が秩序、公平性、透明性をもって行われるようにします。

【Robert’a Rule of Order】の公認版がこちらです。1876 年に初版が発行され、11 版で 600 万部以上を売り上げています。↓

Robert’s Rules of Order Newly Revised In Brief, 3rd edition (English Edition)
created by Rinker

 

Robert’s Rules に登場する議会用語                                  

ロバート議事法を元にした会議を理解する上で、大事なのは登場する「議会用語」の理解です。直訳では解釈不可能な表現があるので、まずは単語の意味からいきましょう。

1. Chair—議長(会議の責任者)

2. Call to order—(議長による)開会宣言

3. Agenda ―議題

4. Minutes—議事録

5. Committee—委員会

6. Unfinished business—未完了の業務。前回の会議で決定されず、今回の会議に持ち越された課題。

7.New business—新らしい議題、発案。会議で議論される現在の課題。

8.Entertain a motion—動議の審議。議長が特定の問題について議論したい人がいるかどうかメンバーに尋ねる。

9.Move ―正式に(動議、意見を)提案する、提出する。
(I move that …「私は…を提案します。」)

10. Second a motion (“I second the motion”; or just “second.”)—(別のメンバーが)動議に賛成する。(「私は動議に賛成します。」)

11. Have the floor—発言権を与える。議長に認められた後でメンバーは発言を許可される。

12. Vote “aye” “noy”―投票“賛成” “反対”

13. Motion carried—動議が可決される。

14. Adjourn—休会する。会議中の休憩や、会議を終了すること。

ロバート議事法の流れ                  

「議会用語」を理解したところで、次は簡単に「流れ」を説明します。

イラストをご覧ください。

これはごく基本の流れで、更に「議題」について可否を問う場合もあったり、規模によって追加されます。

ロバート議事法の「動議」の手順             

ロバート議事法による公式会議が「一般会議(General meeting)」と違う点は、メンバーは、勝手に意見や提案を述べるのではなく、必ず議長に「motion:動議(提案)」を提出する必要があります。

そのmotion(動議)に別のメンバーが「賛同します。(second)」と挙手しないことには、その議題を話し合うことも、次の議題へ進むことも出来ません。

その手順をイラストにしました。

④の議論の段階で、もし誰かがその動議に修正を加えたい場合は,下記のイラストのように⑤「amendment」のプロセスが追加になります。

AGMの実例

では、実際にAGMで登場した会議での会話を抜粋します。

担当者から「前年度の財務状況」の報告後、議長役を務めた指揮者からメンバーに

Chairman
Chairman

Do you have any other questions or comments?

Hearing none.

May I have someone provide a motion to accept the financials for 2024?

(それでは、他にご質問がないようですので、2024 年度の財務状況を承認する動議をどなたか提出していただけますか。

 

☝️このように、次の議題へ移る前に、まず今行われた議題を承認する必要があります。「承認」するにしても、まずはその「承認しましょうよ!」と言う動議(提案)をしなくてはいけません。

議長は自ら「動議」を提出することが出来ないので、メンバーの誰かに「承認する動議(提案)」を提出してもらうように依頼したわけです。

トンプソンさんが挙手して

I so move.

(私が動議を提出します。)

と言い「財務状況の報告内容を承認する動議(提案)」を提出しました。

これだけでは認められません。別のメンバーの同意が必要です。そこで、議長が

Chairman
Chairman

Is there a second?
(賛同する方は?)

と聞きました。

今度はパンデさんが言いました。

I second the motion.
(私が(その動議に)同意します。)

これでやっと”その議題を承認する動議(提案)”が認められたわけです。提案が認められたところで、次はメンバー全員に「承認するかどうかの投票」のステップがやってきたことになります。

Chairman
Chairman

OK, a motion has been made and seconded.
All those in favour, please raise your hand.

(動議が提出され、同意されました。皆さん、賛成の方は挙手をお願いします。)

make a motion

make a motion は moveの言い換えです。(動議を提出する)

皆、賛成で🙋🙋🙋…

Chairman
Chairman

The motion carried.

(動議は可決されました。)

このように、会計報告を聞いてメンバーから質問がなかったので、次のステップ「メンバー1:承認する動議(提案)を提出」→「メンバー2:同意」→「全員で承認するかどうかの投票」→「結果:賛成多数」→「動議可決」となりました。

議事録には↓

このように記録されていました。段々何が起こっているのか、概要が掴めてきましたね!

ロバート議事法のサンプルスクリプト

では、もう少し雰囲気が掴めるようにごくシンプルな例を挙げてみます。

とても面白い例を見つけました。

The English Farm “Vocabulary for formal meetings”から引用させてもらいます。

これは、もし家族が「夕食に何を食べるか?」をこのロバート議事法で会議したとしたらどうなるか!です。

では、いってみましょう!

Call to Order(開会宣言)

CHAIR: (議長役:お父さん)

I call this family meeting to order.
We’re here to decide what to have for dinner.
If you have something to say, please raise your hand and wait until I recognize you to take the floor.

家族会議を始めます。
夕食に何を食べるか決める為にここに集まっています。
何か言いたいことがあれば手を挙げて、私が発言を認めるまで待つように。

Approve the Minutes(前回議事録の承認)

CHAIR(父)
Will Member 1 please read the minutes from the last meeting?
(メンバー1、前回の議事録を読んでもらえますか?)

MEMBER 1(息子)
There are no minutes from the last meeting because I was at hockey practice.

(僕はホッケーの練習に行ってたので前回の議事録はないです。😆)

CHAIR(父): Okay

Officer Report(役員報告)

CHAIR(父)

let’s move on to the Treasurer’s report.
(会計役員の報告に移ろう。)

TREASURER: (会計役員:母)

We have $38.62 in the budget for tonight’s dinner.
(今夜の夕飯の予算は$38.62です。)

<次はこの議題、“会計報告”の採択の可否です。→議長自身は動議を出せない為に、動議提出をメンバーに問います。>

CHAIR: (父)

The Chair will entertain a motion to adopt the Treasurer’s report.

(議長は会計報告を承認する動議を検討します。)

MEMBER 1:(息子)
I so move.
(私が動議を提出します。)

MEMBER 2: (娘)

Second.(賛成です。)

CHAIR: (父)

A motion has been made and seconded.
(動議が提出され、同意されました。)

―動議に対する投票(夕飯代予算の承認)―

Chair(父)

All those in favor say “Aye”.

(賛成の人は全員「賛成」と言って下さい。)

 

ALL MEMBERS: Aye.
(全員 賛成!)

CHAIR(父)

Any opposed? No?
The motion carried.
(反対の方は?いないですか?動議は可決されました。)

さて、今夜の夕食代予算が可決されたのでいよいよ何にするか、議論開始です。

Chair (父)

Now, the matter of what to have for dinner is open for discussion.

 

(それでは、夕飯に何を食べるかについて話しあいます。)

MEMBER 1(息子): (raises hand🙋)

CHAIR(父)

The Chair recognizes Member 1.
You have the floor.

(メンバー1の発言を認めます。発言してください。)

MEMBER 1(息子)

 I want macaroni and cheese.
(僕はマカロニ&チーズが食べたいです。)

MEMBER 2: I want pizza!🍕

(私はピザがいい。)

CHAIR(父)

 Member 2, please raise your hand and wait to be recognized before speaking.

(メンバー2、手を挙げて発言が認められるまで待って下さい。)

 MEMBER 2: (raises hand✋)

CHAIR(父)

The Chair recognizes Member 2.
You have the floor.

(議長はメンバー 2 の発言を認めます。発言してください。)

MEMBER 2(娘)

 I want pizza.
We had macaroni and cheese last night.

(私はピザが食べたいです。
私達、マカロニチーズは昨夜食べました。)

CHAIR(父)

 Further discussion?
(更に議論しますか?)

MEMBER 1: (raises hand 🙋)

CHAIR(父)

Member 1 has the floor.
(メンバー1、発言して下さい。)

MEMBER 1(息子)

 I agree to pizza tonight if we can have macaroni and cheese again sometime later this week.

(今週後半にまたマカロニチーズを食べられるなら、今夜はピザを食べることに同意します。)

―どうやら夕飯のメニュー議論が終えたようなので、議長はメニューの動議を提出してもらうよう、呼びかけます。―

CHAIR(父)

 May I have a motion for tonight’s dinner menu?
(今夜の夕飯メニューについて提案してもらえますか?)

MEMBER 2(娘)

 I move that we have pizza!

(私はピザにすることを提案します。)

MEMBER 1(息子)

Okay. I guess I’ll second the motion.

(OK,僕も賛成します。)

ー 夕飯はピザにする動議(提案)が提出され、同意されました。次は投票です。

CHAIR(父)

All those in favour, say “Aye”.
All opposed, say “Nay.”

(賛成の方は「賛成」と」言って下さい。反対の方は「反対」と言って下さい。)

 

MEMBERS 1(息子) & 2(娘)

 

 “Aye.”
(賛成)

TREASURER(母)

 “Nay. I’m tired of pizza.”

(反対。ピザはもう飽きました。)

CHAIR(父)

The “Ayes” have it. We’ll eat pizza tonight.
May I have a motion to adjourn this meeting so we can call the pizza place and order dinner?

「賛成」で決まりです。今夜はピザを食べましょう。
ピザ屋に電話して夕食を注文できるように、この会議を休会する動議を提出してもいいですか?

MEMBER 1(息子)

I really want macaroni and cheese, but I’ll move to adjourn for pizza.
(本当はマカロニチーズが食べたいけど、ピザ食べる為に閉会の提案をします。

MEMBER 2(娘)

Second!!
(賛成)

CHAIR(父)

This meeting is adjourned.
この会議を閉会します。)

Treasurer, please call and order our pizza.
(会計係、電話してピザを注文して下さい。)

いかがでしたか?

公正、秩序を保ちつつ、議題が違う方向へ向かって行かないように議長がハンドルを握る。国会の答弁と一緒ですね。

ロバート議事法までいかなくとも、オンライン会議が主流になった今日、とても参考になる教本があります。我々日本人の性格、環境、文化に精通しているデイビッド・セイン氏の本を紹介します。

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お付き合い、ありがとうございました。

 

 

 

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