英語圏のネィティヴスピーカーが日本語を話す時、どうしても「英語っぽい」って感じませんか?
例えば一生懸命、覚えた日本語だけど
Ko–ni-chí-wa.
こに–ち-わ。
Wa–tá–shi no nama–e wa Jason de-s.
わぁたーしの なまーえぃわ ジェイソン でぇす。
これは、そもそも英語のシラブル(音節)を元にしたリズムで「日本語」を話すからなんですね。
英語のシラブル(音節)って何?と思われた方はまずこちらの記事をどうぞ。
我が夫は、若かりし頃に日本へワーキングホリデー制度を利用して、観光ホテルのレストランで働いた経験があリます。
お飲み物は何にいたしますか?
とか、それはそれは全くリズムなしの音底もフラットな日本語らしい喋り方を鍛えまくったそうです。
逆に我々が英語を話す時に、日本語の様な平な喋りを脱却して、英語特有の「強弱」と「ドラムビート」を意識するだけで「発音」は少々カタカナ英語っぽくっても、わずかながらもある程度理解してくれます。
(☝️でもカタカナ英語発音では’英語の音’とかけ離れている為、日本人の話す英語に慣れていない相手には通じません。)
例えばシンプルな英語、
“I went to the zoo.” (私は動物園に行きました)
これを日本語みたいにカタカナ英語で1単語ずつ、同じリズムで平らに
アイ ウエント トゥ ザ ズー
と言うと、やっぱり文法は会っているのになかなか通じない。。。
カタカナ発音にも問題あります。
でも、例え100歩譲ってカタカナ発音でも「英語の強弱」と「ドラムビート」で言うとびっくり! 通じるチャンスが劇的に増加。
例えば前例のカタカナ英語発音を英語のリズムで
「タン / タンタッタッ / ターン」♩
更には強調する赤字の発音をやや長めに発音してみて下さい。
アイ / ウエントゥザ / ズー.
こんな感じで何となく「英語」が相手に聞き取りやすくなるのです。
そればかりではありません。リスニングが驚くほど楽になるのです。
このリズムを決める元になるのが
「Sentence Stress」(文の強勢)
これは、文内の特定の単語にアクセントをつける事。
その「アクセントをつけた単語」と次の「アクセントをつけた単語」の間のビートを同じにする事で、ネィティヴが話すようなリズムのある英語に近づけます。
私は、伝わらない理由を「発音」のせいばかりにしていました。
「フォニックス」でかなり矯正されたものの、伝わるようになったもう1つの大事なポイント、それはズバリ、
「ネィティヴの真似をして話すようになった」
↓
「リズムをつけて話すようになっていた。」
息子が学校で習っていた「シラブルズ(音節)」の存在をきっかけに「英語は強弱とリズム」で成り立っている事を知った後、会話のアクセントを置くコツやリスニングのポイントがジワジワっと分かってきました。
メリットはそれだけではありません。
リズムのビートは「左→右」へと進んでいくのでたくさん練習する分、英語を英語でイメージしながらいちいち訳さない訓練にもなります。
この記事では、どこにアクセントを置くのか?「Sentence Stress」の基本的なルールを例文を交えて紹介します。
文を形成する2つのタイプの単語
文内にはもちろん「単語」がズラーっと並んでいます。
これを2つのタイプに分けると
*content words(内容語)
→文のキーワードとなる単語の事。
伝えたい本質内容となる重要な単語。極端に言えば、その単語だけで何となく本筋が伝わる。
*Function words(機能語)
→機能語は文を文法的に正しい形式にする単語。
上段の「content words」に「アクセント」を付ける!
じゃ、一体それはどんな単語か?
content words とは?
分かりやすく一覧表を作成しました。
どれも「文章の伝えたい内容」に関わる品詞たちです。
☆「Main Verbs」(主動詞)とは、主語のアクションや状態を表現する動詞。
もう一度、簡単に説明します。
「主動詞」→主語(誰かや何か)のアクションや状態を表現するキーポイント。
「名詞」→”人や場所、物”を表すキーポイント。
「形容詞と副詞」→動詞、名詞を修飾するキーポイント。
「否定語」→動詞の動きを「否定する」キーポイント。
「Wh-疑問語」→何を質問したいかを表現するキーポイント。
「所有代名詞」→「誰のもの」を表現するキーポイント。
(所有代名詞は、’あまり重要でなければ弱く発音される。)
Function words とは?
一方の弱く発音する単語たち、「Function words」(機能語)は、こちら。
“will”と同じく「Modal verbs-法助動詞」の意味をなす
“be going to“(〜のつもり、〜だろう)や、
“can”と同様に” be able to“ も弱く発音されます。
✋おっと、ここで助動詞について。
助動詞は具体的に2つのタイプがあります。
Auxiliary (helping) Verbs(助動詞)
Modal (mood) Verbs (法助動詞)
もし?の方はこちらの記事からどうぞ。
このように『function words(機能語)』は、文の中では直接重要な内容を伝える役目ではなく、例えなくても意味が何となく通じる。だけど文法的に無いと「正しい英語」に成立しない単語。
例えば、
Will you go to the party?
この動詞の’go‘ と名詞の’party‘だけで
go party?
っと片言英語を話す感じでも伝わりますね。
一方、上記英文の中の「内用語以外」の「機能語」たちを見てみます。
Will you go to the party?
*Modal verbs-「法助動詞」の will
*Pronouns-「代名詞」の you
*Prepositions-「前置詞」のto
*Articles-「冠詞」の the
これらを省略してしまうと「正しい文法構成」になりません。それが「機能語」って訳です。
Content words にアクセントを付けよう!
では、実際に「content wordsー内容語」にアクセントをつけてみます。
ここで必要な知識があります。最初に登場した
Syllables(シラブルズ)、音節です!
しつこいですが、再度記事を紹介しておきます。
とっても重要です。英語圏の子供達が「フォニックス」についで習う「音節」で、英語の強弱やリズムの元になります。
例文その1
“May I ask you a question?”
この英文に「強弱とリズム」をつけます。
この文の中で「content words(内容語)」つまり、伝えたい重要な内容にあたるのは、
May I ask you a question?
「主動詞」ーask
「名詞」ーquestion
この単語たちの「アクセント」の位置でビートをとります。
下記イラストをご覧ください。
それぞれのアクセントの位置で手を叩きます。
次に、手を叩いた時のテンポは同じまま、文法を正しくする為の「機能語たち」を追加します。
①太字「content words(内容語)」のアクセントの部分は強くかつやや長めの発音。
②それ以外は弱め、やや早めに言う。
実際にネィティヴに発音してもらいました。動画を見ながら一緒に発音してみて下さい。
早く弱めに言う部分で連結が起きる。
*May I →May I →メヤイみたいに聞こえる。
*”ask”と”question”の間に挟まれた” you”と”a”は弱め、しかもビートの間で発音される為、リズムを崩さないように早く言う必要あり。
↓
「ásk you a」→ áskのáにアクセントがあってやや長め、その後は早めに言うので「アスキュア」みたいに聞こえる。
例文その2
非常によく聞き,使われる
”it’s going to be”(〜になる)の例文です。
「助動詞」の意味をなすこのフレーズは、弱くしか発音してもらえない存在。しかも無茶苦茶早く。。。
よっぽど丁寧な人以外、殆どのネィティヴは「ゴーイング トゥ ビィ」なんてゆっくり言ってくれません。
「ゴトゥビ」って聞こえます。
強く言う単語(内容語)を太赤字にしました。
まずその単語だけ、アクセントの位置でビートをとり同じテンポで言ってみます。
これに「function words-(機能語)」を追加します。
“think”と”hot”の間にシラブルズが5つもあります。
あまりカタカナで表現したくないのですが、リズムと強弱を伝えるためにあえて書くと、
アイスィンク/イツゴトゥビ/ホットゥデエィ
って聞こえるって言うか、強弱とリズムをつけています。
ネィティヴによる発音を耳ダンボで「強弱とリズム」を意識して聞いてください。
例文3
今度はこれです。
“I’m sorry, but I’m going to be late.”
同じく「content words(内容語)」を赤字にしました。
これに「機能語」を追加します。
ウォー!今度はもっと早く発音する必要がありますね。
今回の例文だと、最初に謝る文“I’m sor–ry,“の後に即続けて話すので、次の強く言う単語「late」までの間に弱く言うシラブルズは6個もあります。
“but I’m”はまるで「バッタム」って感じ。では聞いてみましょう。
例文4
段々楽しくなってきたのは私だけでしょうか?
最後にちょっと長めの例文です。同じく強く言う単語は赤字です。
アクセント部分でビートをとり同じテンポで言ってみましょう。
これに「function words-機能語」を追加。
今度は “tell” と “change”の間にはシラブルズが4つ。
“change”と”schedule”の間は2つ。
従って“tell”と”change”の間の4つのシラブルズを持つフレーズ、
‘him abóut the”はより早く言わないとリズムを乱してしまいます。
強く発音する「téll 」の後に続く「him」は弱くしかも早く言うので「テリム」のように聞こえます。しかもその後も早く弱く、更に「a-bóut」のbóutにややアクセントをつけるので
「テリマバウザ」のように聞こえるし、強弱とリズムをつけて言ってます。
まとめ
いざ、会話をする時にいちいち
これは強く発音する単語の間にシラブルズが。。。
なんて数えたり考えたりする訳ありません。
ただ、ネィティヴが小さい頃から「シラブルズ」という単語の持つ「母音の発音単位」を大切に習得し、自然と会話にリズムをつけている現実を目の当たりにすると
英語と全く違うのは「文法」だけではない!伝える、聞き取るためには「英語のシラブルズ」を理解して「Sentence Stress-(文の強勢)」を学ぶ必要がある!と痛感したのです。
ただ、「英文法」もこの「Sentence Stress-(文の強勢)」も数学のように必ず「方程式」に当てはめて全てが解決されるわけではありません。
そこには「例外」がたくさん存在するからです。
今回、紹介しました
「contenr wordsー内容語」
「 function wordsー機能語」
これもあくまでも基本のルールであって、例外がたくさんあります。
何故なら強く弱く発音するのは「話し手」の意思によるものだから。
話し手があえて「強調」したいなら弱く発音される「機能語」グループでも強調されます。
例えば次の会話。
Hey, are you free on Sunday?
(ヘイ、日曜あいてる?)
I might be.
(多分)
”might”は、may と同様に可能性(確率)を表現するmodal verbs(法助動詞)の1つ。
普通は弱く発音されますが、話し手があえて「可能性」を強調したい場合は強く発音されます。
これで聞き手は「確実にフリーじゃなくてむしろ40%位の可能性しかないんだな。」と受け取ります。
なのであくまでも「基準の考え方」として捉えて下さいね。
大事なのは「話し手が何を伝えたいか」です。
お勧めの練習法
何と言ってもネィティヴのお手本が必要です。
ナレーション付きの音読本でリスニングする時に文頭から「強調されている単語」に意識をあてて聞く!何度も少しずつでいいので「強弱」と「リズム」を掴み取る。
その後、シャドーイングしまくる!
簡単な文から初めて少しずつ「強弱」と「リズム」に慣れていくと、驚くほどリスニング力がUPします。
見つけた!最適教材!
いろんなリスニングの教材がある中で、この「Stress Sentence」に拘った教材はなかなか見つけられず。。。
と探しまくってやっと見つけました。
シラブルズ(音節)とリズムの関係や、文章の強勢について分かりやすい例文を音声と共に訓練する!
レッスン問題もついていて「5日間完成」というドリル形式。言語学博士、服部氏の教材です。
⭐️音節と文の強勢が理解できたら、後は音読の徹底訓練。
単なる音読教材ではなく、文字を音声がハイライト付きで追ってくれる「イマージョンリーディング」を取り入れた【JJ English エクササイズ】がお勧めです。
詳しくはこちらの記事で紹介しています。