伝わる英語にする為には、カタカナ発音を脱する事はもちろんながら英語の「リズムと強弱」が大事であることを痛感しまくった筆者でございます。
これに関する、文の中でリズムの元になる「強勢される単語ー内容語」についても記事にしました。
まだの方はこちら↓(リズムと強弱の法則を知る上でとっても大事です)
では、動詞に副詞や前置詞がくっついて動詞の意味をなす「句動詞(Phrasal verb)」の場合はどうでしょうか?
受験対策で「句動詞」を丸暗記していた昔の私は、そんな事、考えたこともありませんでした。
文法は間違っていない、なのに聞き返されたり、なかなか一発で伝わらないビギナー時代を経て、、、
「句動詞だって強勢があるんだ!」
と悟ったわけです。
本当に英語ってのは「強弱とリズム」
音節(シラブルズ)が理解できて、強調すべき品詞が理解できて、それを元にリズムをとって話すとびっくりする位、伝わります。もう嬉しくってたまらなくなります。
この記事では「句動詞の強勢」について紹介します。
Phrasal verb stress(句動詞の強勢)
たくさん組合せのある句動詞ですが、ズバリ「動詞」の状態に影響を与える「副詞」が「動詞」よりも強調されます。(例外あり)
ただ、「動詞」も大事な「内容語」の1つなので弱く発音される訳ではありません。
句動詞のように「動詞+副詞」とくっついた場合、「副詞」がもっと強調されるケースが多いのです。
「他動詞+副詞&目的語」pick upの場合
例を挙げてネィティヴに発音してもらいます。
強調される「内容語」は太字です。アクセントが置かれる部分は赤太字です。
pick up (& 目的語 が名詞)の場合
I should píck úp my párcel.
→「副詞-up」が「動詞-pick」よりやや強調されています。
pick +目的語 が 名詞+ up の場合(挟み込み型)
挟み込み型で「目的語」が「名詞」の場合、発音上殆んどのケースで「名詞」の方が後にくる「副詞」よりも強く発音されます。
I should píck my párcel úp.
次の場合も「副詞」にもアクセントはありながらその前の「名詞」の方が更に強調されています。
Pút your shírt ón.
但し、文末にくる「副詞」を最も強調する場合もあります。
要は、話し手が1番強調したい内容が「目的語の名詞」か「動詞に動きを与える副詞」か?
或は、リズムと発音上でも変わってくるので「絶対これが正しい」と言うのではありません。
pick +目的語(代名詞)+ upの場合(挟み込み型)
一方で「目的語」が「代名詞」の場合は、「副詞」が最も強く発音されます。
I should píck ít úp.
「自動詞+副詞」の完結型(目的語なし)」break down, wash off
目的語を持たない「自動詞+副詞」の型でも、やはり動詞に影響を与える「副詞」が強調されます。
My cár bróke dówn on the stréet.
The márk wón’t wásh óff.
“break down” も “wash off” も使い方次第で「目的語」を持つ「他動詞型」になります。
この場合の強調は、最初に例を挙げた「他動詞+副詞」のパターンと同じでやはり「副詞」が強調されます。
例)
They broke down the wall.
(彼らは壁を壊した。)
You have to wash off the dirt.
(その汚れ、落とさないと駄目よ。)
もっとシンプルな例を挙げると
Sit Dówn!
Don’t gíve úp!
Go awáy!
Get úp!
これらは全部「動詞」に影響を与える「副詞」が強調されて発音されます。
「自動詞+副詞+前置詞&目的語」put up with / run out of
3語で成立つ句動詞も、動詞に影響を与える真ん中の「副詞」が強調されます。
☆You have to pút úp wíth him.
☆We’ve rán óut óf mílk.
以上、代表的な「副詞」が強調されるパターンを紹介しました。
さて、次は「動詞」の方が強調される場合を取り上げます。
「自動詞+前置詞 & 目的語」agree with, look at
この句動詞は、動詞の後に「前置詞」がくっついたパターン。
「前置詞」は「副詞」のように決して「動詞」の状態に影響を与える訳ではなく、あくまでも「目的語」となる「名詞」か「代名詞」を「動詞」に繋げる接着剤。
「文の強勢」では、「文法上正しい形にする為の機能語」なので「前置詞」は弱く、「動詞」が強く発音されます。
☆ I agrée wíth you.
☆We’re lóoking át áll óptions.
「句動詞(動詞+副詞)+doing」の場合
「句動詞(動詞+副詞)」の後に”動詞ing” を伴う場合です。
これもまた全てとは言い切れませんがリズム上、「副詞」よりも「動詞」が強調されるケースになります。
keep on 〜ing(〜し続ける)
*I just kéep ón prácticing.
(僕はただひたすら練習し続けるよ。)
end up 〜ing(〜で終わる)
*She wánt to énd úp wínning.
(彼女は勝って終わりたいんだよ。)
go on〜ing(〜し続ける)
*Pléase gó ón tálking.
例え「前置詞」でも強調される場合
最後に通常、文章の中で弱く発音される存在の「前置詞」。
句動詞の組合せでも「副詞」ではなく「前置詞」なら弱く発音されます。
ところが、例外があります。
「文末」に置かれた場合です。
「動詞」と同様に「前置詞」も強調気味で発音されます。
映画やドラマのシーンでよく耳にするセリフの一つに、
☆Whát are you lóoking át?(何見てんだよ!)
先に紹介した「自動詞+前置詞&目的語」の文では「動詞」が強調され、「前置詞」は弱く発音されましたね。
(We’re lóoking át áll óptions.ー我々は全ての選択を検討している。))
もう一つ、文末にきた「前置詞」の例を挙げます。
☆Whó would you cáre fór?(誰のこと、気にするんだよ?)
まとめ
句動詞のアクセントの多くは「動詞」の状態に影響を与える「副詞」にやや多くストレスをかけて発音されます。
そんな事、学校で習わないと言う我が息子もこのように返答してきました。
ただ、忘れてはならないのが「話し手」が何を1番伝えたいか?によって強調される単語は変わってきます。
まずは「文の強勢」で強調される「内容語」を意識してたくさんネィティヴ発音で聞きまくり、そこに句動詞が必ずや登場するので「句動詞のアクセント」がどこに置かれているか聞き取ってみて下さい。
単にリスニングするのと違って「強調される単語(品詞)」とリズムに慣れることです。
そしてシャードーイングしまくって、英語のリズムに慣れると「口からパッ!」と同じようなテンポと強弱ついたアクセントで出てくるようになります。
海外在住者が、段々生の速さの英語が聞き取れるようになるのは、「たくさんネィティヴのリズムと強弱」が耳に蓄積されるからです。
その根底には英語の音節(シラブルズ)と日本語は、全く違うことを認識する必要があります。
英語圏では4才〜5才から「フォニックス」でアルファベットの持つ音を学び、その後、Syllablesと呼ばれる”単語がいくつ音節を持つか”手を叩きながら発音して英語のリズムと「正しい綴り」を学んでいきます。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。↓
この存在を息子を通して知った私は、単語もただ発音記号を見るのではなく、シラブルズを確認するようになりました。
確実に綴りに強くなるのと同時に、その音節の長さは”アクセント”が大事なだけでなく、文章全体を話す時の速さ、リズムの元になります。
英語のリズムと強弱は、「これが100%正しい!」ってのはありません。
話し手の伝いたい内容がズバリ強調される単語になってくるケースもあります。
いっぱいネィティヴの話す会話やオーディブル リーディングで強調単語を耳ダンボにすると「おーっ!」と目から鱗状態でリズムが分かってきます。
ぜひ、「文の強勢」の法則を知ってからそれを意識して「洋書」+「プロのナレーション」で「強調される単語」と「早く弱く発音される単語」との全体のリズムを味わってみて下さい。