文章を組み立てる上で「たかが動詞、されど動詞」とあなどれない存在が
「他動詞」と「自動詞」です。
なのにネィティヴは区別して習ったりません。自然と身についている何とも羨ましい能力の1つ。。。
これをあんまり意識しないで「単語だけ」ガンガン、「熟語だけガンガン」と覚えた昔の私。全ては試験対策のため。穴埋めするため。
英語圏で暮らして最終的に悟ったことは、
そもそも英語は英語らしく受け止めた方が分かりやすい!と言うことです。
「文法用語」も「英語での説明」を見ると案外、納得しやすかったりします。
「他動詞」や「自動詞」もその1つです。
日本語での説明の多くは
「他動詞」:〜を、〜にを含んだ動詞。従って必ず目的語を必要とする。
「自動詞」:〜を、〜にを含まない為、目的語はなし。主語+自動詞だけで文が完結できる。
この英語とは程遠い”漢字だらけ”の名前。
「英語では何と呼ぶか?」
そしてネィティヴである夫や息子に「他動詞と自動詞をどう理解し、どう使い分けているのか?」教えてもらいました。
👆「違いは知ってるから”見分け方のコツ”言って!」って方は
”他動詞と自動詞の見分け方” に飛んで下さい。
👆「違いも見分け方も知ってるから”使い分け方”を紹介して!」って方は
”ネィティヴは他動詞かつ自動詞の両方である動詞をどう使い分けているか?”
に飛んで下さい。
他動詞を英語で? Transitive verb
”transitive verb” と言うからには、そこに深い意味があるはず。
このサイトを見てくださっているのも何かのご縁です。少しお付き合い下さい。
“A better word to associate when you see transitive is transfer.
A transitive verb needs to transfer its action to something or someone
—an object.
In essence, transitive means “to affect something else.”
(訳)
“transitive”を関連付ける適した言葉は、”転送”です。 他動詞は、その行動を何かまたは誰か、つまり目的語に転送する必要があります。
本質的に、”transitive”とは「他の何かに影響を与える」ことを意味します。
引用元:Transitive and Intransitive Verbs — What’s the Difference?
Grammary.com
「他動詞」ってやつは、”transitive verb” つまり “transfer” (転送)の意味を持ち、その動詞の意味を目的語に届ける存在なんですね。
こうして考えるとイメージしやすく私としては、二度と忘れない情報になりました。
ついでに「他動詞」とか「自動詞」自体を文法として習わない、ネィティヴ夫と息子にも教えてやりました!
ちなみに、ネィティヴが自然と身につけているこれら動詞の使い方。彼らに”transitive verb”の例をあげてどんなイメージを描くか”聞いてイラスト化したのがこれです。
では実際に例文をあげてみます。
他動詞のbring. (〜を持ってくる、連れてくる)
“Please bring coffee.“を例に説明します。
ここで英語を英語で「左→右」へ解釈する訓練です。
下記のイラストをご覧ください。
まず文頭からこんなイメージで捉えます。
このように、”bring” と言う動詞には「〜を」と言う助詞的役割が含まれているので、それに対する「何を?」にあたる「目的語」に届ける必要があるんですね。
仮に、「目的語」がなかったら。。。
つまり、”transitive verb” と言うからには「その動詞の意味」を「何かを」である「目的語」に転送する必要がある。
もっと分かりやすく一層のこと、「転送動詞」って名付けたらどうだろう?と思っちゃいます。
それはさておき、言い換えれば「目的語がなければ意味をなさない」動詞は
“transitive verb”、「他動詞」である!
自動詞を英語で? intransitive verb
さて、今度は「自動詞」の出番。
お察しの通り、”Transitive verb” の反対で ” Intransitive verb
“An intransitive verb is the opposite of a transitive verb:
it does not require an object to act upon.
(訳)
” Intransitive verb”はTransitive verb” の反対です。
これは”動作をする為”の目的語を必要としません。
引用元:Transitive and Intransitive Verbs — What’s the Difference?
Grammary.com
それではこちらも例をあげて説明します。
例えば自動詞扱いの “run” (走る)
上記イラストのように、「目的語」がなくても
「その犬は走った。」
と主語+動詞だけで文が成り立つのが自動詞。
中には”Run!”(走れ)とか” Sing!”(歌って!)など「自動詞」だけで使う場合もありますよね。
とは言うものの、もう少し文の内容説明が必要な場合もあります。
例えば、上記例文の
The don ran.
「その犬、走ったのはわかったけど、どこを?」
このように、もっと詳しく「場所、いつ、どのように、どの位?」などの「修飾語」をくっ付けたい場合(実際はその方が多い)はどうするか?
“The dog ran.”に「校庭を」と言う修飾語を付け加えてみます。
これも英語を英語で理解するために「左→右」でイメージしていきます。
「自動詞」の”ran” の直後に「〜を、〜に」などの
「前置詞ーin」を「名詞-the school playground」の前に付けてます!
何故「前置詞 – in」が必要か?
ざっくり言えば、「自動詞」には「〜を、〜に、〜で」などの助詞的役割がない為、代わりにその役割をしてくれる「前置詞」を「名詞」の前につける必要がある!
ここで、その「前置詞」”preposition”の役割を確認しておきます。
これも英語は英語の感覚で理解する訓練の為、英文説明を紹介します。
A preposition is a word used to link nouns, pronouns,
or phrases to other words within a sentence.
They act to connect the people, objects, time and locations of a sentence.
Prepositions are usually short words, and they are normally placed directly
in front of nouns.
(訳)
前置詞は、名詞、代名詞、または句を文中の他の単語とリンクするために使用される単語です。 それらは、文の人、物、時間、場所をつなぐ働きをします。 前置詞は通常短い単語であり、通常は名詞の直前に配置されます。
引用元:Preposition”What is a preposition?/Ginger Grammar Rules
もう一つ、ポイントは「前置詞」は「動詞」を修飾するのではなく、後にくる「名詞」や「代名詞」を修飾すると言う役割を持っていると言うこと。
もう一つ例をあげます。
“She sang.” の後に「ステージで」と言うセリフを付け加えたい場合です。
“on the stage” となりますね。
もしこれを ”sang”と言う自動詞の直後に「前置詞 – on」を省略して「名詞 – the stage」を置いてしまったら
She sang the stage.(彼女はステージ 歌った。)
となってしまいます。「〜の上で」と言う「名詞」を修飾する「前置詞」がないから。
これが、「自動詞の後」に直接「名詞や代名詞」を置くことができない理由!
なので前置詞は接着剤みたいな存在。
She sang 🔗 on the stage.
そしてお分かりのように、前置詞の”on”(〜の上で)は動詞の”sang”(歌った)を修飾しているのではなく、その後の名詞 “the stage” ステージを修飾しています。
Transitive verb(他動詞)にも Intransitive verb (自動詞)にもなる場合
何とも皮肉なことに状況によって「どっちにも登場する」ケースがほとんど。
「可算名詞」が「不可算名詞」にもなりうるのと同じです。
他動詞と自動詞の見分け方
「これって他動詞?自動詞?」ってのを英文から見分けるのは比較的簡単です。
ズバリ
👆他動詞⇨動詞の後にすぐ「名詞」があるならそれは目的語だから「他動詞」
(と言うより目的語がないと文が成立しない。)
例文で説明するとこんな感じ↓
一方で、
👆自動詞⇨動詞の後に「前置詞+名詞・代名詞」或いは「副詞」だったら →「自動詞」
(主語+動詞だけでも通じる。)
例文をあげるとこんな感じ。↓
このように英文を見て分析するのは比較的簡単かもしれません。
問題は、同じ動詞なのに2つの顔を持つ場合、どう使いこなすか!
ネィティヴは2つの顔を持つ同じ動詞をどう使い分けているのか?
私が1番悩んだのはこれです。
動詞自体の持つ意味は、助詞的役割(〜を、〜に、〜でなど)を含む、含まない以外同じなのに、ある時は「他動詞+目的語」だったり「自動詞+副詞 或は 前置詞+名詞」にしたり。。。
ネィティヴによると、とにかく状況次第で使い分けていると。。。
同じ内容でも相手に初めて伝える場合は「何を」にあたる目的語が必要なケースが多くなるし、逆にすでに説明済みなら「何を」を必要としない自動詞。
例えば leave
「彼は学校を早退した」と会話で伝えたい場合。
☝️「他動詞」の使い方の場合:〜を去る
He left school early.(彼は学校を早退した。)
他動詞(left)+名詞(school)(+副詞early)
☝️「自動詞」の使い方の場合:去る
He went to school. (彼は学校へ行った。でも早退した。)
But he left early.
自動詞(left)+副詞(early)
このように
☆他動詞は目的語を持つだけに「目的」を伝えたい。伝える必要がある。
すなわち、”He left school early.” は「学校を」早退したと言う「どこを」を伝える必要がある場合。
☆自動詞は「目的語」なしでも伝わる場合。
すなわち、”He left early.” は「何で?」とか「どこを」を伝える必要がなく、(既に会話上で承知済み)とにかく「早退した」と言うことを主に伝える場合。
会話的にはこんな感じ。イラストで説明します。
使いこなすポイントは
*自分が「何をどうする・どうした」の「何を」を伝えたい場合
→他動詞+目的語
*逆に「何がどうする・どうした」で意味が成立する「自動詞」は、「動詞」そのものに言いたいことの焦点が当たっている時。
→主語+自動詞
おそらく、例文でたくさん感じ取った方が理解しやすいと思います。
Move
<Transitive verb・他動詞>
Could you move your car please?(車を移動してもらえますか?)
→「何を移動させるか」に焦点。
<Intransitive verb・自動詞>
The trees were moving in the breeze.(木々は風で揺れていた。)
→「何を」の目的語必要なし。主語+動詞で意味成立。”揺れていた”の動詞に焦点。
引用元:What are transitive and intransitive verbs? Oxford Lexico.com
Open
<Transitive verb・他動詞>
Open the window; it’s too hot in here! (窓を開けて!ここ暑すぎるわ。)
→「何を開けるか」に焦点。
<Intransitive verb・自動詞>
The museum opens at 10 a.m.(その美術館は午前10時に開館します。)
→「何を」は必要なし。主語+動詞で意味成立。”開館する”と言う動詞に焦点。
引用元:What are transitive and intransitive verbs? Oxford Lexico.com
Write
<Transitive verb・他動詞>
Write your name here.(あなたの名前をここに書いて。)
→「何を書くか」に焦点。
<Intransitive verb・自動詞>
Kevin couldn’t read or write.(ケヴィンは読み書きができなかった。)
→「何を」は必要なし。主語+動詞で意味成立。’書けなかった’と言う動詞に焦点。
引用元:What are transitive and intransitive verbs? Oxford Lexico.com
そもそもその動詞がどっちか、両方(他動詞・自動詞)なのかを学ぶには?
これが1番、しんどいところです。
ネィティヴ風が自然と身につけた「他動詞と自動詞」。
前述しましたが、正しい英文から「これってどっち?」と分析するのは、もう既にそこに「答え」があります。
くどいようですが、動詞の後に「名詞」があれば目的語なので「他動詞」扱い。
逆に動詞が文末だったり、その後に「副詞」とか「前置詞+名詞」があれば「自動詞」扱い。
でも自分で英文を書く、しゃべるとなるとその答えは「辞書」にお世話になるしかありません。
全ての動詞を「これは他動詞」「これは自動詞」「これはちなみに両方!」と覚えられたらまさしく誰もが羨む「歩く辞書」!
例え目出たく「歩く辞書」になっても実際会話中に
えーっと、この動詞は他動詞だから後ろには前置詞つけなくて。。。
なんて考える暇、全くありません。
こればかりは正しい答えのある英語の「読書」だったり、「日記を書いて添削する」こと、或はネィティヴ会話を一杯聞いて鍛えるしかありません。
英会話やテレビ、映画から習得
私自身が海外生活を通して、どのように習得しているかと言うと、
☆テレビでラグビーを見ていて、選手が
「MOVE!」(動け!)
と叫んでいる。
→動詞だけでも使われる。つまり「自動詞」扱い可能な事が分かる。
☆一方、ヴォランティア関係からのメールで
“Let’s move the meeting to next Wednesday..”
(会議を来週の水曜に移しましょう。)
→動詞”move” の直後に、名詞の”the meeting” を伴い「他動詞」扱いもなる事が分かる。
☆テレビのライヴ中継で歌手が
「Singing!」
と観客に叫んでいる。
→動詞単独で使ってるから「自動詞」扱いもなるんだなと。
☆一方、息子のジャズバンドで
“Anna sang the” Sky Hall “ with our performance today.”
(今日、アナは僕らの演奏でスカイホールを歌ったんだ。)
→動詞”sang”の後に名詞を伴っているから「他動詞」扱いもなるぞ!
☆映画を見ていて
後ろから何か音が。。。
それは何かが追いかけてくるシーンで
「RUN!」(走れ!)
動詞単独で登場だから「自動詞扱い」可能。
☆ネィティヴの会話で
”He runs a company.”
(彼が会社を経営している。)
動詞の直後に”a company” と名詞があるから「他動詞扱い」にもなる。
☆これもまた映画で聞きました。
誰かを慰めようとして話しかけ
「Leave!」(去ってくれ!)
自動詞扱いだ!
☆ネィティブ会話で
“He’s leaving the company.”
(彼、会社辞めるんだって。)
名詞を伴うから「他動詞」扱いにもなる。
こんな風に聞いて使って学んでいくと、状況によっての使い分けが自然と身についていきます。
私が気をつけているのは、これは「他動詞」、これは「自動詞」、これは「両方」と暗記する事に重点を置かないこと。
大事なのは、使い方!
その為に、自分で「伝えたいことを英作文で書く」あるいは、その日の出来事、感じたことを日記に書く中で「他動詞扱い」「自動詞扱い」を吐き出すこと。
会話一杯の英語の本を読んだり、洋画や海外ドラマを何となくでも聞き取れるレベルならぜひ「動詞の後」に注目して見て下さいね。
そして何と言っても使うことで忘れないので、一杯書くことをお勧めします。
そうすると、次に見えてくるのは Phrasal verb「句動詞(熟語)」の存在。
これはまた別記事で紹介しますが、「Transitive verb/他動詞」と「Intransitive verb/自動詞」を意識するのとしないのでは「ネィティヴ表現度」つまり、何を主に言いたくて「語順」を意識しているのか?
表現の幅も広がってきます。
ぜひ、毎日「動詞」をもっと意識して英語に触れようではありませんか!
お勧め教材
今すぐにでも「自動詞と他動詞の訓練をしたい」かつ「実際どう言う風に使われるか」その例文を通して学びたい!と言う方はこちらの教材がお勧めです。
例文を完成させる「二者択一式」です。
同じか若しくは似た意味の違う動詞(単語)ー「他動詞」と「自動詞」が選択肢にあってクイズみたいです。
私もチャレンジしましたが、例文の多くは普段ネィティヴが話している表現やニュース、本などから私が自然と身につけた「動詞」が多かったので「これってどっち?」と考えるよりも「耳にする動詞」を瞬間で選ぶ感じでした。
つまりこちらでもよく聞く、見るネィティヴが使う表現を例文に取り上げてくれていると言う事です。
とは言うものの「一体何を学んできたんだ!私は!」と今更ながら気づかなかった「自動詞と他動詞」の勘違いが一杯。
でも間違う方がかえって覚えちゃいます。
楽しみながら学ぶ「クイズ」だと思って練習して、それを機会に自分の英文作成に使うとアウトプットにもなります。